勝間和代さんが2006年に出した「インディでいこう!」を新書版にしたもの。

勝間さんといえば、もはや時代のオピニオン・リーダーとして様々な分野で活躍中なのは周知のことなのだが、そうした人がまだあまり知られていなかった頃、特に初めて出した本をあらためて読むと、荒削りではあるが、何か力をもらうようで心地よい。

構成は

 第1章 インディになりませんか
 第2章 それでもウェンディのほうがいいですか
 第3章 じょうぶな心で土台をつくろう
 第4章 学び続ける力でスキルを磨こう
 第5章 いい男を見分けて選ぼう
 第6章 明日から始める六つの約束

 となっていて、女性のインディペンデントな生き方(かなり本書流の定義なのだが)、
  年収600万以上を稼ぎ、
   いいパートナーがいて、
   年をとるほど、すてきになっていく
ということを、どうやったら実現できるかを、勝間流の力強さで説いていくというか、折伏していくってな感じの本である。

「不機嫌な職場」の続編ともいえるのが本書。

前著では、バブル崩壊後、業績主義が進行する中で、顕在化してきた、カサカサして、協力しあえない、それどころか対立関係すら生んでしまっている「職場」の問題点を分析し、その解決に取り組んでいる職場や会社の実例を紹介しながら対策を記述していたのだが、本書はそれを一歩進めて、「不機嫌な職場」の経営学的な分析と対処法を体系的に論じたものといえる。

構成は
 第1章 組織にも感情がある
 第2章 そもそも感情って、何?
  1 なぜ、感情が生まれるのか
  2 感情をどうコントロールするか
  3 感情は連鎖する
 第3章 組織感情をマネジメントする
                                1 組織における感情の位置づけ
                                2 マネジメントの方法
 第4章 組織感情を引き出し、共有する方法
  1 イキイキ感情を共有したい
  2 あたたか感情を共有したい
  3 ギスギス感情を変えたい
  4 冷え冷え感情を変えたい
 第5章 良い職場、良い会社をつくろう

 となっていて、今までは「モチベーション(やる気)」という側面でしか語られたり、対策が練られていなかった、組織感情について、正面から取り上げ、その組織感情が、組織のパフォーマンスに与える影響や、そのコントロール方法について論述しているのは他のモチベーションを語るビジネス本にない特徴。


iPhone,iPod touchをとことん使ってやろうという人には必携の一冊。

ネットをあちこち精力と時間を使ってさまよえば、類似の情報は見つかるかもしれないが、必要な情報を的確に、まとまった形で、提示してくれるのが、こうした本の良さ。

その上に、iPhone/いPod touchによる新しい仕事や生活のあり方を提案してくれるのが、本書のそのほかの入門本と違うところ。

構成は、
01 iPhoneでつくるクラウド・オフィス
02 iPhoneゼロストレス仕事術
03 iPhoneユビキタス手帳術
04 iPhoneでウェブを持ち歩く
05 出先でのiPhone活用術
06 人生に近道をつくるiPhoneライフハック術

タイや中国あるいは韓国といったアジアの国の旅行記やらそれに類したルポは数々あるのだが、どういうわけか、フィリピンに関する旅行記やルポはあまり見かけないように思う。

それは、やはり、高度成長期の、「買春ツアー」やジャパユキさんに代表される一種のいかがわしさがつきまとうせいかもしれない。


 本書も、東京で売れっ子のホストをしていた人物が、フィリピーナに惚れ、どっぷりとフィリピンにはまり込んでいる様子を、彼へのインタビューをさしはさみながら進行する点で、そうしたあやうさを感じさせるのだが、読み進むうちに、熱帯特有のねっとりとした暑さと、想像上のものに過ぎないのだが、フィリピーナたちがもつ熱っぽさと優しさを感じ取ったようになってくるから不思議だ。


 
構成は

 第1章 恐るべしフィリピーナ
 第2章 吉原とエルミタ
 第3章 女がいっぱい
 第4章 はまる人々
 第5章 アヤラ・アラバンの女
 第6章 たまごっち山崎君
 最終章 永遠なり!フィリピン人のホスピタリティ

 となっていて、最初の方は、前述のホスト上がりの男性のインタビュー、後半の方は、それ以外のフィリピンにはまる、ないしは暮らしている日本人のさまざまに抱え込んでいるものを含んだインタビューとルポになっている。


 仕事が煮え詰まってきた時の「旅本」逃避という癖が、私にはあって、日常の退屈さと閉塞感を、つかの間紛らわすために、つい手にとって、忙しいのに読みふけってしまい、おまけに旅することを妄想して、精神の平衡を保っているところがある(いざ旅をするとなると、準備やら、チケットやホテルの手配やらで、途中で面倒くさくなってしまうんだけどね)

 そんなときに、よくお世話になっていたのが、下川祐治さんの貧乏旅行記で、タイには行ったことがないのだが、妙な親近感を、この国に覚えるのはそのせいもあるのだが、今回は、世界を股にかけたLCC(ローコストキャリア)の旅である。

構成は

第1章 関空・マニラ
第2章 クラーク空港・クアラルンプール
第3章 シンガポール・バンガロール
第4章 シャルジャ・アレキサンドリア
第5章 アテネ・ロンドン
第6章 ダブリン・ニューヨーク・ロングビーチ

となっている。


哄う合戦屋
  • 北沢 秋/イラスト:志村貴子
  • 双葉社
  • 1470円
Amazonで購入
書評/歴史・時代(F)
「本が好き!」から献本いただきました。多謝。


時代設定は戦国時代、天文18年春から天文19年夏にかけての2年間の物語である。そして、舞台は信濃。

ということなら、武田信玄(晴信)が信濃制圧に向けて着々と動き始めていた頃、さては、そのあたりの信濃の国を統一する話か、と思ったのだが、かなりの見当違い。「勝者」の物語ではなく「敗れていった者」の物語であった。

だが、この「敗者」の姿が尋常ではない。いったいに「敗者」というものは美しく見えてくるのは、日本人の性なのだが、この物語の主人公、諸国を渡り歩く合戦屋 石堂一徹 の姿は、「颯々」として、なにかすっきりとした爽快感を覚えるたたずまいで、これぞ「武者」であるな、と喝采をおくりたくなる。


さて物語りは、中信濃の深志と北信濃の塩田平の間の横山郷、遠藤吉弘の居館のあたりで、吉弘の娘 若菜と、一徹が出会うところから始まる。(もっとも、一徹と若菜の恋物語が云々、という展開ではない)。
この遠藤家、三千八百石程度の身上で、近隣の土豪との争いにあけくれていた家で、さほど有力な家であったわけではない。それが、石堂一徹が、軍師として食客になってから、以前から仇敵であった隣の高橋家を滅ぼし、ついで不破、といった風に、領地を拡大していく。このまま進めば、中信濃一の豪族、小笠原長時との対決は必至では・・・といった形で展開し、「天下」を狙う、石堂一徹の野望の片鱗も明らかになる。

ちょっと乱暴な総括だが、ネットワークサービスをフルに利用して、多数の人が集合して、同時期に仕事をする「オフィス」という形から脱却して、雇用関係も、場所も自由な仕事のスタイルをつくろうよ、といったことかしら。

構成は

第1章 ノマドワーキングのすすめ

第2章 アテンションコントロール

第3章 情報コントロール

第4章 コラボレーション

第5章 クラウドを使いこなす

第6章 ノマドライフスタイルの時代へ

と言う構成で、筆者のいう「ノマド」というのは「テクノロジーで武装したフリーランサーたち」のこと。

こうした会社に依存しない、あるいは会社との契約で仕事をし、生計を立てるという働き方が、「派遣」という今では手垢のついた言葉ではなく、「ノマド」という新しい言葉で語られるのは、昨今の「派遣切り」から始まって「正社員切り」にまで進みうる不況の長期化と無縁ではないだろう。従来型の不況が、いわゆる「正規化」への要望を増していったのに対し、昨年から始まる不況が「正規社員」すら聖域ではない、安全ではないレベルに達してきたことの裏返しなのかもしれないね、といった、ちょっと斜め目線から読み始めたのだが、どうして、どうして、この「ノマド」という仕事のスタイルは、何かしら魅力と誘惑をもっていることは間違いない。

どんな鍵でも開けてしまい、以前は怪盗と呼ばれた「僕」こと有馬次郎は、ひょんなドジから嵐山の奥に位置する大非閣千光寺の寺男になって、堅気の生活を始めている。ところが、どうも事件に好かれているのか、知り合いが悪いのか、京都新聞の文化部の記者で、トラブルメーカーの気のある折原けいが持ち込んでくる事件に巻き込まれて・・・、といった感じの、オーソドックスな設定ともいえる御当地ミステリー。

収録は、
「不動明王の憂鬱」
「異教徒の晩餐」
「鮎躍る夜に」
「不如意の人」
「支那そば館の謎」
「居酒屋 十兵衛」
の6篇

ところが、北森 鴻氏の手にかかると、御当地ミステリーも、普通の御当地ミステリーとはちょっと違った風味が漂ってくるのが不思議。

町角でふと目にとまった、ちょっと不思議な料理を紹介していきたい。

といったところから始まる、ちょっと変わった食物記である。
とりあげられる食べ物屋が、やはり東京が中心になるのは、筆者の住居と活動の中心がそうであるせいもあるのだろうが、やはりそこは「首都」の威力というもので、人やモノが集まれば集まるほど、妙な食べ物も集積してくるのは人の世の常なんだろうが、本書のエライところは、「不思議な料理」の食物記であって、ゲテモノの食物記になっていないところだろう。

料理は、東京・日本橋の「ドイツ風ライス」からはじまるのだが、「ハムカツ」(東京・上野)や「マカロニグラタン」(東京・浅草)、「カニヤキメシ(東京・人形町)など、名前をみればおおよそ察しがつくのも多いのだが、「ず丼」(東京・新大久保)や「イタリアン」(新潟)、「すじ玉丼」(神戸・三宮)、さらには「セイロンライス」(大阪・西心斎橋)、ナポリライス(東京・銀座)などなど、何を食わされるのかちょっと心配になってくる料理も数々あって、一種怖いものみたさの欲求も満たされる食物記である。

筆者手書きのイラストも味があって、少しばかり暇な時、暇にあかせて、ぱらぱらと読んでいくにお薦め。

(最近、御当地グルメで定番の「佐世保バーガー」などを含んだ「九州篇」も入ってます。)

北森 鴻のミステリーの魅力は、謎解きのほかに、登場人物のユニークさと料理といえるのではなかろうか。

この「メイン・ディッシュ」はそのどちらも、というか、登場人物は、劇団・紅神楽の看板女優の紅林ユリエこと「ねこ」と彼女の家に転がり込んできた居候の三津池修こと「ミケ」、劇団の代表の一人で座付役者の小杉隆一(彼は途中で、推理作家に転業する。まるで、作者の分身のような存在だ)といった面々はもちろんユニークなのは間違いないのだが、随所随所にでてくる、ミケさんのつくる料理が、また旨そうでたまらないという、表題そのものを体現したミステリーである。

とはいっても、ありきたりのグルメ・ミステリーではない。大きな筋立ては、「ねこ」さんの劇団周辺の様々な事件と、「ミケ」さんがなぜ風来坊のような暮らしをしているかの謎が、絡まりあって進展する凝ったつくりのミステリーで、構成は

最近のコメント

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。