食べ物の最近のブログ記事

町角でふと目にとまった、ちょっと不思議な料理を紹介していきたい。

といったところから始まる、ちょっと変わった食物記である。
とりあげられる食べ物屋が、やはり東京が中心になるのは、筆者の住居と活動の中心がそうであるせいもあるのだろうが、やはりそこは「首都」の威力というもので、人やモノが集まれば集まるほど、妙な食べ物も集積してくるのは人の世の常なんだろうが、本書のエライところは、「不思議な料理」の食物記であって、ゲテモノの食物記になっていないところだろう。

料理は、東京・日本橋の「ドイツ風ライス」からはじまるのだが、「ハムカツ」(東京・上野)や「マカロニグラタン」(東京・浅草)、「カニヤキメシ(東京・人形町)など、名前をみればおおよそ察しがつくのも多いのだが、「ず丼」(東京・新大久保)や「イタリアン」(新潟)、「すじ玉丼」(神戸・三宮)、さらには「セイロンライス」(大阪・西心斎橋)、ナポリライス(東京・銀座)などなど、何を食わされるのかちょっと心配になってくる料理も数々あって、一種怖いものみたさの欲求も満たされる食物記である。

筆者手書きのイラストも味があって、少しばかり暇な時、暇にあかせて、ぱらぱらと読んでいくにお薦め。

(最近、御当地グルメで定番の「佐世保バーガー」などを含んだ「九州篇」も入ってます。)

食エッセイあるいは、日本食べ歩きといっていいのだが、題名で想像がつくとおり、食べるものが尋常のものではない。というよりは、フツーは食わないだろ、といった代物や「うーむ、ちょっとね」といった食べ物の食エッセイである。

収録は

睾丸のようなもの。ぐねぐねするやつら(沖縄県 与那国島・石垣島)

なんてこったの肛門チンポコ生物(佐賀県 有明海・唐津)

決め技はコリコリとずるずる(京都府 伊根・丹後)

奇食ではなく貴食なのであった(北海道 阿寒湖)

ヒトは禁じられると求めるものだ(岩手県 遠野・宮古)

高知の山海秘密の三本勝負(高知県 安芸・大方)

食うか食われるか。ミキにはキミの夢がある(鹿児島県 奄美大島)

でっかくて黒いやつ。小さくて黒が好きなやつ(青森県 鰍ケ沢。下北半島)

輝け!第1回全日本麺の甲子園大会(日本全国)

でらうまの謎(愛知県 名古屋)

愛と策略の蜂の子まぜごはん(長野県 白馬・穂高)

鮒ずしへの詫び状(滋賀県 琵琶湖)

一見して、どんな食べ物かがわかるものもあるから、一部を紹介するだけにしておくが、椰子蟹、うみへび、いそぎんちゃく、ゲンゲのナンダもしくはババアないしはグラと呼ばれるもの、ゴカイ(エラコ)、ウツボ、納豆サンド、といった代物がオンパレードである。


いったいにこういうゲテモノというのは、一種の怖いモノみたさのようなものがあって、自分が食べるのは別にして、他人が食べるのを見たり、読んだりするのは、妙に自虐的な快感がある。

といったことで、あえていくつか引用すると


鮨に生きる男たち
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書評/ルポルタージュ
「鮨」の名店を紹介する本と思いきや、「鮨」に人生をかけた男たちあるいは家族たちの物語である。もちろん、「鮨」に全身全霊をかける職人たちであるから、その店はいわゆる「名店」になっていくのは必然ともいえるのだが、その軌跡をたどる、という性質のものではなく、「鮨」に魅せられ、「鮨」に人生のほとんどを費やしてきた職人たちの歩みの軌跡というべき本である。

とりあげられているのは17人というか17店。

掲載されている店をあげれば
「喜(正式は 七が三つ)寿司」、「鮨 水谷」「神保町鶴八」「新橋鶴八」「奈可久」「鮨 青木」「鮨 徳助」「あら輝」「鮨処 喜楽」「すし処 司」「鮨処 成田」「寿し銀」「吉野鮓」「千取寿し」「松乃寿司」「鮨処おざわ」「すきやばし次郎」
といったところで、鮨通なり美食家の人が聞けば、「あー」と頷く店ばかりなのだろうが、残念何ら、辺境に住まう私としては、一つとして入ったことのない店ばかりだ。

場所は東京はもちろん一番多いが、千葉、金沢、名古屋、京都、静岡とかなり広範囲にわたっているし、店の思いでも、筆者が学生の頃の戦前から始まっているから、時代的な幅も広い。

一体に鮨店というのは、緊張を誘うもので、これは「お勘定」の話もあるのだが(だって、「時価」なんて値札のある食い物屋なんて、滅多矢鱈にないと思う。フランス料理やイタ飯屋、高級割烹にはたしかにあるが、鮨屋はどんな場末の店でも、しっかり「時価」っていうのがあるからなー)、それよりなにより、カウンター
が店の中心で、鮨職人と直接相対するってあたりにあるのではないだろうか。

旅本でうまいもの紀行というのは、よくある話で、そういうテーマで1冊をものしようとすると、かなりの工夫か味付けか、あるいはグロものか、といったことが必要になるのだが、「朝食」だけにテーマをきめた旅本というのは、ほかにあまり例をしらない。

しかも、とりあげられている国は

トルコ、モロッコ、イタリア、フランス、オーストリア、ドイツ、デンマーク、スコットランド、イギリス、カナダ、アメリカ、メキシコ、オーストラリア、フィジー、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、インド、モルディブ、モンゴル、韓国、香港、台湾、中国、そして日本

とアフリカ、南米以外の国を幅広くカバーしている。

おまけに、旅本というとあやしげな屋台やポン引き、あるいは美しいが危険な美女や、おカマといったものが登場するのがおきまりなのだが、「朝食」をテーマにしているため、そうした胡散臭い色合いはなく、非常に健康的で明るい旅本である。

で、どんな朝食がいいかなー、というのは、もうそれぞれのお好み次第だ。こうした「食べ物」をテーマにした旅本は、冷静な態度
で読むもんじゃなくて、読者それぞれの偏見と独断で、これは美味そうだ、とか、これは勘弁してくれ、とか、こんなスカした食い物はいやだ、とか我が儘勝手な評論をしながら読むのが一番正しい読み方だと、これも勝手に決め込んでいる。

なんにしても、朝、昼、晩の三食の中で、朝食は旅先で食べるのが一番美味い気がしていて、それは国内外を問わず、ホテルのありきたりのバイキングだろうが、市場のガタガタいうベンチとテーブルで食べる食事であろうと変わらない。
そうした「旅先の朝食」が、これでもか、というぐらいにでてくるのだから、これはもう食べる、というか読むしかないだろう。

で、いくつか引用させてもらうと、まずは最初の一篇のトルコのバザール

一体、「文士」という輩は、どんな食い物を好んでいたか、というよりは、どんな食い物に取り付かれ、彼らの中で「食事をする」というのはどういう位置を占めていたのか、といったあたりを、これでもかってな感じで見せてくれる本である。

著者の嵐山光三郎さんは、編集者あがりの作家で、この本に紹介されている文士(小説家じゃないですよ。「文士」ってな表現はがぴったりくるような、教科書の日本文学史にでてくるような人達ですよ)の人の幾人かとも面識が会ったようで、その筆致もやさしいようで、かなり厳しい。まるで、こうした「文士」たちの彼らが隠しておきたかった部分を、ぐいぐいとえぐってくるのである。

こうした「文士」たちの性癖というか食癖も、それぞれで、なんとなく作品から想像できるものから、えーっといいたくなるような悪趣味なものまでさまざまである。

泉鏡花は、大根おろしを煮て食うほどの潔癖症であったあたりや、

三島由紀夫は食い物を食うというよりは、食い物の知識を食っているような人であったり

とか「やはりね」と思わせるものもあるのだが、


ひさびさのエントリーで、ちょっと気張ってみようかな、とも思ったのだが、結局「食べ物本」でしかも「沖縄本」に落ち着いてしまった。

章立ては
第1章 コンビニエンスストアーなじみの店で発見したオキナワ
第2章 スーパーマーケットー常備しておきたい沖縄の味のもと
第3章 市場ー公設市場で見つけた気になる沖縄素材たち
第4章 沖縄菓子屋ー小腹が空いたおやつどき3時の危険地帯
第5章 健康食品ー長寿社会を支える沖縄の秘密兵器
第6章 食い物屋・飲み屋ー世界に類をみない個性的ひと皿
第7章 沖縄の食卓ー覗いてみたい沖縄伝承の味
第8章 沖縄食材お持ち帰りーこだわりの味を再現実験してみる

で、この章立てを見てもわかるように、単なる沖縄の名物料理の紹介本ではない。というよりも、沖縄の家庭からスーパーマーケットまでの、沖縄で暮らしている人が日常、気にもとめずに食べ、飲んでいる食べ物をあれやこれやと取り上げた一冊である。

とりあげられるものは、チャンプルーやポーク玉子、泡盛から島豆腐や、果てはくるま麸、シマナからダシ昆布まで、と幅広い。

しかも、執筆している人たちが、沖縄生まれで今も沖縄に住んでいる人から、今は本土(っていう表現でよいのかな、ウツナーンチュー的には)に住んでいる人から、本土生まれで沖縄に深く見せられてしまった、いわゆる沖縄中毒の方たちまでと、これまた幅広いのが、沖縄の美味いものの紹介本としての厚みを出している。

どんな食べ物がでてくるのかは、この本を買って、じっくり賞味していただきたいが、ちょっと紹介すると

ジャンクフード系では

缶詰食品のポークランチョンミートのスライスと卵を焼いて、それにライスがつく大衆食堂の定番料理の「ポーク玉子」をそのままおにぎりにした「ポーク玉子おにぎり」

とか

第30次と第35次の南極観測隊で名料理人を務め、あの有名カメラマン、不肖・宮嶋氏の脳味噌にもしっかりと記憶の爪痕を残した、西村淳さんの「面白南極料理人」に続く第2作。

といっても、三度めの南極観測に赴いたわけではないので、「南極面白料理人」で書ききれなかった、様々なコボレ話といった感じで考えた方がよいだろう。

しかも、である。今度の本は、レシピ付き、さらには、一口メモのような「ポイント」までついている。


しかし、まあ南極観測隊の面々、ほかに楽しみといってよいものがないせいか、食欲や食へのこだわりの方も相当である。

例えばラーメンでも


南極での労働が彼らの体に少しでもカロリーを摂取するように要求したのか、普通の隊員で二杯、調子の良い人で三杯、「麺類命!」を自称する江尻隊長に至っては、三玉オーバーを毎食要求してきた。

といった具合のため、みるみる麺の在庫がつきて、自分達で麺打ちをする羽目になったり、

池波正太郎さんと面識の深かった人たちによる食のエッセイである。

和食篇、洋食篇とふたつに分かれていて、それぞれに1月から12月まで池波正太郎の好んだ料理の数々が紹介されるほか、その品が登場する池波正太郎作品や料理のレシピもあわせて紹介されているという、かなり詰め込み状態の一冊である。

その品は、和食は天ぷらから泥鰌、鮎、鰻、新子、秋刀魚、洋食は食はコロッケ(クロケットというべきか)からカレーライス、ステーキ丼、もんじゃ焼き、カツレツなどなど、さすが池波正太郎の食道楽を象徴してか幅広い。そして、その料理もかなり凝っているものからざっかけないものまで多種多様である。

いくつか引用すると、鮎のところ(「和食篇 文月」)では

やっぱり鮎の塩焼きは、なりふり構わずこうやって食べるに限る。てづかみで、骨ごと頭からシッポまで食べてこそ鮎の塩焼きである。大体、骨ごと全部食べられるくらいの小ぶりの鮎でないとうまくない

といったあたり、鮎の香りが漂うようなところに、思わず唾を飲み込んだり、

世界の奇怪な味と腐っているのだか発酵しているのだがわからない珍味の探求家、醸造学の権威 小泉武夫さんの食エッセイである。紹介される食べ物は、絶妙な珍味から、そこらにあるのだが気づかない珍味まで、多士済済である。


収録は「牛肉に昇天」「オキナワは美味しい」「オキンワは美味美味」「カニ食い大魔王」「我が輩はドクター。エビスキー」「ウイグルで羊を食べつくす」「中国は豚の王国」「干物は官能的」「粗は宝だ」「壮絶!マグロの飼いたい」「スッポンの嘆き」「塩湖は眩しい」「鮟鱇に首ったけ!!」「忘れ得ぬ味」「富津物語」「至福のフグ」「ミャンマーに首ったけ」「右利きのカツオ」の18話。

いくつか、美味そうなところを引用すると

口に入れまして、ひと噛みしますと、ぶ厚い肉からチュルルルルとうま汁が滲み出てきましてな、さらにふた噛み致しますとうま汁だけとではなく、ややジューシーな感じの濃味が湧き出て参りましてな、そこに上品な甘味のようなものも追っかけて出てきましてな、口の中はもう美味汁であふれんばかりになりました。(「牛肉に昇天」)
とか

発酵・醸造学の権威であるとともに、「食の探検家」または「歩く胃袋」「カニクイザル」などなどの異名をもつ小泉先生の食エッセイである。当然、エッセイの中心は酒と肴が中心なのだが、その酒も、肴も只者ではないというか、ありきたりのものではない。
例えば、「虫を肴に酒を飲る」では、メキシコのメスカル(テキーラ)の飲み方。メスカルというのはテキーラのコクを出すというか飲みやすくするために蛆虫とか蜂の蛹をいれたものらしいのだが、

その飲み方は

洗面器のようなものの上に笊を置いて、その上からメスカルを注ぐんです。すると、瓶の中に入っていた何百匹という蛹は笊にひっかかるのですが、酒は笊の目を通って洗面器に集まります。その酒を瓶に戻してから飲み始めるわけですが、笊に残った虫の幼虫は、そのまま男たちの酒の肴になるんですね。


といった具合だったり、あるいはラオスで


皮を剥し、背骨を中心にして、開いた肉身をそのまま燻して、乾燥状態で売っている、ネズミの燻製を肴に、道端で老婆と酒盛りをしたり

といった具合である。


もちろん、医者が禁ずるほどのフォアグラを食したり、モクズガニをつぶして味噌で味付けしたものを湯の中に落とし、絹ごし豆腐とネギで食べるモクズガニのフワフワ汁など、普通でも涎のでそうなものは食べているのだが、この先生の食エッセイの醍醐味は、こうした得体の知れない食べ物の数々を、楽しみながら(まあ、何度かは吐きながら、ということでもあるようだが)胃の腑におさめていく、小泉先生の健啖さである。

まさに「戦う胃袋」である小泉先生の戦闘の日々が、また続いていくであろうことを期待するのである。



それはともかく、先生の命名する「シンデレラリカー」、酒やワインの酒粕を蒸留した、いわゆるカストリや、ブルゴーニュのワインやポルトガルのポートワインの澱を飲むあたり、なんとも旨そうで、思わず喉がなった次第であります。

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