月別アーカイブ: 2015年8月

下川裕治「週末沖縄でちょっとゆるり」(朝日文庫)

タイ、カンボジア、ベトナムなどの東南アジア、台湾などのフリークで、旅本作家としても大御所である下川裕治氏のひさびさの「沖縄本」である。氏は沖縄フリークとしても有名で、東南アジアや台湾への行き来に、成田や羽田ではなく那覇からの飛行機便やフェリー便を利用した旅行記が数々あることがその証左であろう。
構成は
第1章 沖縄そば 食べるそばを求めて国道58号を北上する
 定食 「シーブン」が生む沖縄定食の迷宮


第2章 カチャーシー カメおばぁが教えてくれる本土の人間の限界


 栄町市場 軒の低い市場に流れる百円以下という物価感覚


第3章 LCC 台風欠航で揺れる沖縄フリークの胸のうち


 石垣空港 LCCが生む節約モードという多忙


第4章 琉球王国と県庁


 名護と愛蔵さん 辺野古移設でもめる街にギャラリーができる


第5章 波照間島 天文おたくのパイパティローマという居場所
 船の欠航 変わりゆく島を結んだ伝説の船
第6章 農連市場 「午前三時の湯気」の現在を撮る(阿部稔哉)
第7章 コザ 世替わりを重ねた街の人生の栄枯盛衰(仲村清司)
 ポーク 主食化したアメリカ世の落とし物
第8章 沖縄通い者がすすめる週末沖縄
 食堂、スナックに立ちはだかる再開発と後継者の問題(はるやまひろぶみ)
第9章 在住者がすすめる週末沖縄
 なるべく金をかけずに子供を喜ばせる穴場スポット大紹介(平良竜次)
 沖縄の週末は公園が賑わっている(嘉手川 学)
 沖縄滞在パターン(高倉直子)


 女子にもおすすめのパワースポット自転車めぐり(及川真由美)
 安里の栄町どおりが変わってきている(新崎栄作)
となっていて、ひさびさの「沖縄本」ということで、どういう新しい「沖縄」の魅力の話かな、と思ったのだが、ちょっとその様相が違った。20年以上前から沖縄に親しんできた筆者が、沖縄の変化に戸惑い、以前の沖縄を求めつつ、なかなか出会えない、あるいは、以前の沖縄は変わってしまった、というあたりが、メインに据えられてているような沖縄紀行である。

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竹村公太郎「日本史の謎は「地形」で解ける」文明・文化篇(PHP文庫)

「日本史の謎は「地形」で解ける」の続編に当たるのが本書。前の本は、頼朝の鎌倉開府や家康の江戸開府、あるいは忠臣蔵の事件などが、人文的な事実だけで動いたわけではなく、根底に「地形」「地理」上のわけがあった、ということを見事に論じてみせ、爽快な目鱗を感じさせてくれた。
続編の「文明・文化編」は個別の歴史上のイベントだけでなく、国民性とかも含めてちょっと大きな事象が「地形」「地理」的な影響下にあることを論じてみせている。
構成は
第1章 なぜ日本は欧米列強の植民地にならなかったか①
     地形と気象からの視点


第2章 なぜ日本は欧米列強の植民地にならなかったか②


     「海の中」を走った日本初の鉄道


第3章 日本人の平均寿命をV字回復させたのは誰か


     命の水道水と大正10年の謎


第4章 なぜ家康は「利根川」を東に曲げたか


     もう一つの仮設


第5章 なぜ江戸は世界最大の都市になれたか①


     「地方」が支えた発展


第6章 なぜ江戸は世界最大の都市になれたか②


     エネルギーを喰う都市


第7章 なぜ江戸は世界最大の都市になれたか③


     広重の「東海道五十三次」の謎


第8章 貧しい横浜村がなぜ、近代日本の表玄関になれたか


     家康が用意した近代


第9章 「弥生時代」のない北海道でいかにして稲作が可能になったか


     自由の大地が未来の日本を救う


第10章 上野の西郷隆盛像はなぜ「あの場所」に建てられたか


     樺山資紀の思い


第11章 信長が天下統一目前までいけた本当の理由とは何か


     弱者ゆえの創造性


第12章 「小型化」が日本人の得意技になったのはなぜか


     「縮み志向」の謎


第13章 日本の将棋はなぜ「持駒」を使えるようになったか


     地形が生んだ不思議なゲーム


第14章 なぜ日本の国旗は「太陽」の図柄になったか


     気象が決める気性


第15章 なぜ日本人は「もったいない」と思うか


     捨てる人々・捨てない人々


第16章 日本文明は生き残れるか


     グラハム・ベルの予言


第17章 【番外編】ピラミッドはなぜ建設されたか①


     ナイル川の堤防


第18章 【番外編】ピラミッドはなぜ建設されたか②
     ギザの3基の巨大ピラミッドの謎
で、辺境に住まう身にとって嬉しかったのは「なぜ江戸は世界最大の都市になれたか」のあたりで

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最近の出張時の仕事グッズ・ガジェット

出張の際は、できるだけ持ち物は少なくしたい。とりわけ、1〜2泊でバッグを持ち歩く時間と距離が長そうなときはなおさらである。

そんなところから、なんとかPCなどのガジェット系や書物系をなんとか少ないしたいと思って悪戦苦闘してきたのだが、ちょっとした合間の仕事や、書類の閲覧などを考えると、最近は
Macbook Air
iPad
ノート(A5またはA4)
というお仕事系に加えて、通常持ち歩く
iPhone6 Plus
ロディア・メモ(A7)
といった構成に落ち着き始めている。
しばらくの間は、 Mac book AirとiPadのどちらかにしようか、とか、ノートはiPadにまとめられないかとか、iPhone6 PlusでiPadを代用できないか、とか試行錯誤していたのだが
・MacbookAirがないとちょっとした合間の原稿とか書類づくりが難しい。iPadのBluetiithキーボードではどうしてもレスポンスが落ちる
・書類、徳に仕事用のファイル閲覧はiPadがやはり便利。iPhoneでは老眼に身には細かい字はやはり辛い。
・思考をまとめるのは、やはりノートで手で書いた方はアイデアが出やすかったり、思考経路が明確になる気がする。手仕事の偉さというやつだろうか
・ノートとロディアは用途がかぶるのだが、ふいの思いつきを書き留めるのはノートではレスポンスが落ちる。さりとて、まとまった思考をまとめていくにはノートが一番。(サイズはA4が良いのだが、A5ノートを見開きで使っても良し)
といった理由から、どうにも減量できず、無理に減少したこともあるのだが、あれがあればな、といったストレスに耐えかねてこういう構成に落ち着いている。
こうしたPCやらガジェットを持ち歩くのはそんなに苦にならないのだが、困るのは宿泊が伴うと充電環境、ACアダプタとかUSBアダプタとかが結構嵩張ること。これの量を減らす良いアイデアはないもんですかね。

岸本葉子「ブータンしあわせ旅ノート」(角川文庫)

「人」と同じで、「国」の毀誉褒貶も遷ろうもので、いっとき持ち上げられたものがストンと評判が落ちてしまうことは常といていい。そのあたり、ブータンと言う国、幸せ度 No.1と持ち上げられて後、さほど評判が落ちるわけではなく、忘却の方向にいくというのは、さほど悪いことではないように思う。
構成は
旅はご近所から
「きんと雲」の国へ
ふわっとヒマラヤ
ティンブー街歩き
山道をドライブ〜トンサへ
ソバ畑の広がる谷〜トンサ・ブムタン
農家にホームスティ〜ブムタン
シャクナゲの峠を越えて〜ウォンディフォダン・プナカへ
中学校にこんにちは〜プナカ・パロ
年に一度のツェチュ祭り〜オアロ
さよならブータン、また来る日まで〜あとがきに代えて
変わるもの、変わらないもの〜文庫版あとがき
となっているのだが、ブータンの都市や地域など、何も知らない当方としては、ブータンの印象は、筆者の言説によるしかなく、そのあたりは、様々なことに恬淡として接する岸本葉子氏の話は偏頗ない気がする。

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Windows10にアップグレード ー 今まで失敗していた原因は”DATA”ディレクトリの容量不足だった(その2)

「DATA:」ディレクトリのパーティションサイズの拡大をしたので、いよいよWindwos10へのアップグレード作業にとりかかる。ただ、アップグレードの予約画面であれこれやっていたら、再予約の状況になってしまい、ダウンロードの順番がくるまで待たないといけない様子。

なので、Windows UpdateからWindows10をダウンロードすることにした。ダウンロードサイズが大きいので結構待たないといけないが、根気よく待つ。今回は中断することなくダウンロードが進む。
正確な時間は忘れたが45分から1時間ほどダウンロードには必要だったと思う。
windows10-1.jpg
ダウンロードが終わったら、更新を適用。
windows10-2.jpg
ファイルの構成が終わったら、半ば勝手にWindows10のアップグレードが始まる。ネットの情報とかをみると、ファイルの残すのかどうかとかの選択をする画面とかがあるようなのだが、記憶になし。アップデート後はプログラムも個人ファイルも引き継いでいた状態なので、デフォルトでそうなっていたのかな。
windows10-3.jpg

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Windows10にアップグレード ー 今まで失敗していた原因は”DATA”ディレクトリの容量不足だった(その1)

Windows10のアップグレードの予約をして、ファイルのダウンロードを始めて1〜2週間が経過するも「アップグレードの準備ができました」状態にならない。windows updateからwindows10をダウンロードして更新してもできそうなのだが、この方法では、「Windows更新プログラムを構成できませんでした」となって先に行かない。

いい加減「???(怒)」となってきて、上級者ではないが上級者向けとわざわざMSのサイトが断っているという強制アップグレードをやってしまえ、となった次第。

そこで、MSの公式サイトの「windows10のディスクイメージ(ISO)のダウンロード」にアクセス。
64ビット版のメディア作成ツールをダウンロードして、Windows10のイメージに入手を試みる。
windows-download1.jpg
windows-download2.jpg
これは簡単にうまくいくじゃないの、とたかをくくっていたら、今回も「Windows更新プログラムを構成できませんでした」のエラーがでて頓挫する。エラーコードをみると、「アップロードをインストールするための空き容量がない」と指摘されているようだが、SSDの”Cディレクトリ”の空きは40G以上あるので疑問が募るばかりである。

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「テレワーク専門のマッチングサイトの誕生」にエールと違和感

Nikkei BPnetpのワクスタで「テレワーク専門の人材紹介サービスが誕生」という記事をみつけて、早速、そのサイト「テレまち」にアクセスしてみた。

コンセプトには
テレワーク専門マッチングサイト「テレまち」とは、<テレワークで「人」と「企業」をつなぐ>をコンセプトに、多くのテレワーカーの方を多くの企業へとご紹介するサービスです。
「テレまち」では、「在宅で仕事をしたい」テレワーカーの皆さまと、「在宅で仕事をしてくれるテレワーカーを雇いたい」または「業務をアウトソーシングしたい」企業の皆さまをおつなぎします。

とあって、在宅ワークをはいじめとしたマッチングサービスと、テレワークを依頼したい会社とのマッチングサイトで、辺境に住まう住人として、これからの地方部のホワイトカラーの働き方はテレワーク、ノマドワークにシフトしていかないと都会部に仕事と人口が残ったままだよ、との主張者としては、まずはテレワークのマッチングサイトの誕生を祝いたい。

ただ、「テレワーク専門のサイト」ということで、現在のネットワーカー、在宅ワーカーの仕事がテレワークそのものとして扱われるの、テレワークの概念を狭めてしまわないか、ということ。

テレワークがネットワーカー・在宅ワーカーとしての色彩がかなり強い、ということは否定しないが、そこで行われる仕事は、ネットワーク仕様に加工された仕事だけではなく、オフィスで行われる仕事そのものの移転が究極の目標であることはおさえておかないといけないのでは、と思う。「ワーク・シフト」で提示されていた、ホログラムで会社のメンバーが話しをし、バーチャルで仕事をしていくってな風景は未来のものなのだろうが、そうした世界を志向して機器整備・開発や仕事のやり方の変化などをやっていかないと、テレワークがいつの間にか、「ネットワーク下請け」となってしまうのではないかと懸念するところなんである。

再生可能エネルギーの冷静な議論は可能なのか?

Newsweekに再生可能エネルギーの話題で
急拡大する太陽光発電、その光と影 | 石井孝明 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
といった記事が出ていた。記事で取り上げる山梨県北杜市の事例はそうそうあるものではないかもしれないが、太陽光発電ブームで、そこかしこの空き地に太陽光パネルが敷いてあるのは普通の光景になってしまったのは事実。
そんな再エネの行き過ぎた面や原子力発電などなど、記事の筆者は冷静なエネルギー議論を求めているのだが、エネルギーの議論が一種の精神論と密接に結びついていたり、投資の一つとして熱心に議論されている限りは、冷静な議論なんていうのは、チョット無理な気がする。
むしろ冷静な議論をしていくためには、純粋にエネルギー自給の可能性、それは発電効率の話とか蓄電技術の話とかも含めて、科学的な議論をまずは先行させ、自給のための技術的な限界はどうか、コスト的な話はどうかという議論を進めていく過程の中にしか、冷静なエネルギー議論はないような気がするのだがどうだろうか?

急上昇したものは急降下するということか?ー武雄市図書館への最近の風評に関して

2013年にTSUTAYAの系列会社による指定管理に移行して、利用時間や開館日の拡大、収蔵図書の増加、コーヒーショップの導入、私語自由などなど、従来の「図書館像」を塗り替えるものとして、鳴り物入りでスタートした佐賀県の「武雄市図書館」なのだが、購入図書の種類とかを巡って、Twitterなどでエラく叩かれている。

詳細は、J-CastNews「10年以上前のExcel本や「公認会計士受験本」・・・ 武雄市図書館はTSUTAYAの「在庫処分」なのか」をみていただくか「武雄市図書館」あるいは「武雄市図書館 Excel」といったキーワードでTwittwrを検索していただければ、その炎上具合がわかる。
当方は、評判が良かった時も、今も、佐賀市からは遠く離れた辺境に住まっているため、この図書館を訪れたこともなく実質どうなのかを判断する資格はないのだが、介護サービスなど民間活力導入ということで急激に株が上がった時におこる急落現象のひとつのような気がする。
もともと指定管理で今の運営会社であるCCCが受けた時の目標が高すぎたといえば高すぎたような気がして、例えば
蔵書数 18万8321冊⇒21万1096冊
来館者数 一日平均867人⇒2529人 (年間92万3036人。361%up)
といった目標は、気をつけないと本来なら図書館で蔵書する必要のないものまで抱え込んだり、本来なら図書館に来ようとも思わない人を無理に読んでしまう、という事態が想定されて、とりわけ蔵書数のあたりは、サービス開始当初、さんざんに叩かれた楽天Koboの無料本の再来を思ってしまう。
個人的な感想をいえば、図書館という「公的サービスの牙城」ともいえるシステムに民間の発想をいれるという点で期待していたものでもあり、なんとか名誉挽回を期待したいところ。
ただ、図書館というものには、人々の「思い」や「神聖視」というものがどうしても付随している。無茶に企業化をさらに徹底するのではなく、そうした「聖域」感を大事にしながら、丁寧な運営を願いたいところでありますな。

サービスを引き下げても批判の少ない稀有なケースーEvernote プレミアムプランの月間アップロードを10Gに引き下げ

サービスレベルを引き下げると、それが人気サービスであればあるほど批判が続出するものだが、Evernoteが日レミアム会員の月間アップロード容量を「無制限」から「10G」に引き下げたのだが、さほど批判の声を聞かない。

「無制限」のサービスはたしか今年の4月から始めたものだったのでサービス停止までさほど時間は経っていなおのだが、「想像以上の混乱と問題を引き起こし」とらしく、かなりの新規ユーザーが無料ストレージがわりにファイルをアップロードしたり、ファイル共有をしたりsたんだろうな、と想像する次第。
確かに料金的なことを考えると、クラウドのファイル保管のDropboxが月間1000円ちょっとだから、強力な検索機能があって月500円足らずのEvernoteをファイル保管庫につかってしまおうという発想が芽生えるのは時間の問題であったんだろう。
さらにスマホユーザー向けには、あらゆるファイルをEvernoteに送っておくと便利、といったレファレンスもされていたからなおのことであったと推測。
Evernoteでは「無制限」を理由にプレミアム会員にアップグレードしたユーザーに料金を返却するそうだが、1G時代からのユーザーである当方にとっては、まあ蚊帳の外の話ではある。まあ通常の写真こみのライフログや、仕事や趣味関係の原稿やらメモといったテキストファイル、ウェブクリップ程度であれば月1Gでも十分ではあったので、「無制限」でなくなってもあまり痛痒は感じない。
ただ、こうした「無制限の容量」というのは、近くでは「BOX」の無料ファイルサービズの終了やGメールのファイル保管的利用の制限など、以前から「無制限」を謳うとトラブルが起きていたのは事実なので、Evernoteの場合もちょっとユーザーの利用方法に関して見込むが甘かったという点は否定出来ないではあろうな。
ただ、当方としては、一つのサービスに個人データのすべてを預けるのは、なんとなくコワイ臆病者であるので、仮に「無制限」が復活しても、他のサービスを辞めて、これ一本で行く度胸はちょっとないですな。