月別アーカイブ: 2015年11月

食べ物で知る「今」と「昔」の隔たり ー 今 柊二「定食と文学」(本の雑誌社)

文学の主要テーマは、恋愛(SEX)、諍い(戦争)、食べ物で大概のものは分類できると思うのだが、今回の定食シリーズは「文学」の中の「定食」を取り上げようという乱暴なもの。
構成は
第一章 二大定食作家 林芙美子と獅子文六
 コラム 林芙美子と牛めし
     横浜で獅子文六を歩く
第二章 三大定食映画監督 小津安二郎、山本嘉次郎、伊丹十三
 コラム タンポポオムライスの「たいめいけん」に行く
第三章 大阪定食彷徨 はるき悦巳、宮本輝、織田作之助
 コラム 定食屋でうどん定食を食べる
     大阪中華 酢豚定食エビフライつき
     「自由軒」でオムライス
第四章 児童文学と定食「いやいやえん」から宮崎県へ
 コラム 工業食品の極致・ちくわパン
     「千と千尋の紙隠し」制作日誌を読む
第五章 漱石の朝食と鴎外の青魚味噌煮
 コラム 京都の名店「今井食堂」
第六章 ブラジル定食 石川達三「蒼氓」から北杜夫「輝ける蒼き空の下で」まで
 コラム 「蒼氓」を歩く
     渋谷でフェイジョアーダ
となっていて、「文学」とあるせいか、昭和初期から戦後にかけての少々「権威」がでた作品が多い。
だが、その作品の選択がまた良い味を出していて、「食べ物」がこうした「ノベル」の味を深める効果というものを知らしめてくれる。

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「職人の組織」の運営は、意外に日本的なポイントが大事であった ー 鈴木敏夫「仕事道楽 新版 ー スタジオ・ジブリの現場」

ジブリのプロヂューサーである鈴木敏夫氏が「宮崎 駿」「高畑 勲」そしてジブリの会社としての誕生から現在まで、「ナウシカ」「トトロ」をはじめとするジブリの作品数々の誕生からリリースにまつわる逸話を語ったのが本書。
構成は
序にかえてー体にしみこんでしまった記憶
1「仕事は公私混同/まかせた以上は全部まかせる」
 ーアニメージュ創刊のころ
2「つきあう以上、教養を共有したい」
 ー高畑勲・宮崎駿との出会い
3「一番大事なのは監督の味方になること」
 ー『風の谷のナウシカ』そしてスタジオジブリ設立
4「企画は半径3メートル以内にいっぱい転がっている」
 ー宮崎駿の映画作法
5「みんなで坂を転げ落ちるのが映画づくりだ」
 ー高畑勲の論理と実践
6「人間、重いものを背負って生きていくもんだ」
 ー徳間康快の生き方
7「いいものを作るには小さい会社のほうがいい」
 ー「町工場」としてのジブリ
新「こつこつ努力することで開ける未来がある」
 ーつねに現在進行形で考える
となっていて、一定程度年年齢がいっていれば、ジブリ映画の記憶とともに、人生のあちこちで様々な思い出が蘇ってくるような仕掛けになっている。
では、あるのだが、当方が興味をそそられたのは、本書の中で見つけられる組織論的なもの。当然、ジブリはアニメ製作会社であるので、そこで働くのはアニメーターをはじめとする製作者が中心。「一匹オオカミ」的な職人たちの個性をどう発揮させ、どう尖らせ、といった「新選組」的な組織運営を考えていたのだが、どうもそうではないらしい。

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米子「ローダン」の醤油ラーメン

本日も仕事で米子来訪。ちょうど昼食時に差し掛かるのだが、なんとなく本日は「蕎麦」という気がしない。まあ、「麺類」ということで勘弁してもらおう、ということでラーメンを食することにし、駅からぶらぶらと歩き、「ローダンのラーメン 通り店」へ。
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全国チェーンとはあるが、山陰地方を中心としたチェーン店。そのうちでも、この米子駅前の店は、けっこうな歴史がある店。看板には「通り店」とあって20年近く前からあるんじゃなかろうか。
で、注文したのは、醤油ラーメン大盛り。この店の単価はけっこう大雑把で、味噌。醤油のラーメン大盛りが500円、大盛りが100円増し。
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ネギは、御当地弓ヶ浜の長ネギかどうかわからないが、太めのシャキシャキしたもので、細ネギとは違う味の太さがある。さらに、チャーシューも味の濃いすぐれもの。
そしてですね、スープがクセのないスッキリとした味で、血圧の心配さえなかったら飲み干してもいいぐらい。
久々に訪れて変わらない味が絶品でありました。

赤坂見附「蓼科そば」の天ぷらそばと稲荷寿司のセット

引き続き「立ち蕎麦」傾倒中であるので、本日の昼食も立ちそば。場所は、東京 赤坂見附の駅前の「蓼科そば」である。昼食時に会議が入り遅い昼食となったので、「ご飯」系の方がお腹具合からすると適当なのかもしれないが、昨日は、名古屋の方へ出張したのだが、「きしめん」系を食すことが出来ず残念であったので、本旨を全うすることにする。
15時近くになっていて、昼どきをかなり外しているので、かなり空いている。券売機で立ち蕎麦の定番メニューである「天ぷら蕎麦」に稲荷ずしがセットになっているものを注文し、カウンターで受け取る。この「蓼科そば」はお隣の「居酒屋 千成」と中で繋がっていて、空いているときは「千成」の方で座って食すことができるのが嬉しいところ。
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米子駅で「きつねそばと吾左衛門寿司」のセットを食す

再び、今 柊二氏の「立ちそば」シリーズ」の新刊を読み始めていて、いつものように読書傾向が食生活に影響するという習いで、本日の昼食は、米子駅の立ちそば。立ち蕎麦といっても、地方駅の立ち蕎麦は、立ち席よりも座席のほうが多いのが通例で、この吾左衛門寿司の駅中店も同様である。どうも、地方にいくほど「立って食事をするのはどうにも粗末で・・・」といった感覚が強いのかもしれない。
ま。そんなことは置いといて、本日の注文は「きつねそば」と「吾左衛門寿司2個」のセット。
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当方が思うに、日本系麺類については、鳥取県というところは県の東半分が「関西のうどん文化」、西半分が「出雲のそば文化」という感じがしていて、そこに関東の更科そばと讃岐うどんが乱入してきているといった勢力分布であろうか。

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「横丁」は都会の魔力の表れか ー 矢吹申彦「東京の100横丁」

「横丁」の定義っていうのはよくわからないところで、本書には
地産地消と相俟って、地域の活性化のための屋台村が元気だと聞く。屋台村と云っても屋台型に限るわけではなく、幾つかの店が入る固定型施設、いわば横丁。
(中略)
確かに酒場と旨いものが並ぶと、昔から必ず横丁の名が付いた。
とある。ただ、なんとなく「横丁」と「ガード下」は都会、しかも東京の専権事項のような気が、個人的にはしていて、そんな「東京の横丁」を集めたエッセイが本書。
とりあげられる横丁は、下北沢駅前食品市場に始まり、人形街、東向島、新橋、元麻布、両国、日本橋といった「旧・東京」あるいは「江戸」からの由緒正しいものから、銀座・みゆき通り、新宿・中央通り、西荻窪、吉祥寺といったところまで多士済々であるのだが、やはり「都会地」の独壇場である。
といっても、都会地で人出が多ければ「横丁」ではないらしく、「築地・魚がし横丁」の章では
東洋一、いや世界一とも云われるこの市場を、たとえ場内の迷路のような路地を刺したとしても、とても横丁とは呼べない。ならば場外市場の方かと云えば、こちらも三百軒以上の店がひしめいていて、横丁の規模を超えている。そんな中に、本物の横丁を見つけた、場内の一角にある食事処の並ぶ”魚がし横丁”である。
であったり、「旧東海道・品川宿」の章では
目黒川を渡った南品川は提灯もなく、祭りではないらしい。商店街は続くが、横丁と呼ぶには長すぎる。それでもおちこちの角を曲がれば、船宿兼天ぷら屋のある横丁、ギャラリーのある横丁と、横丁覗きには事欠かない
などと「横丁」も結構難しいようで、少し歩くと通りぬけられる、ほどほどの長さで、飲食店、雑貨屋などが渾然とあるのが横丁といえるようなのだが、その「横丁歩き」の楽しみは「恋文横丁」で子どもの頃、ネギ味噌を好んだ記憶を語りながら、
記憶を頼りに何度か試みたねぎ味噌は確かに旨い。酒のアテには上等だ。そう横丁の記憶は美味しさの記憶でもあったのだ。
であったり、「青山通りの孫横丁」で
入って直ぐ左の焼肉屋、サボテン屋と続き、曲がればうなぎ屋、天ぷら屋が並ぶ、人通りの少ない通りの横丁の割にはなかなか充実していると思っていたら、その横丁に思いがけず知人が店を開いた。
(中略)
そんな横丁なら、青山通りは幾らもかかえていると云われるだろうが、その横丁横丁を自分のものにするからこそ面白い。他所の人が素通りしていくのを笑いながらやり過ごし、横丁に吹く東風でも秋風でも風をひとり肌で感じる。
であったり、昔の記憶で色付けされた、なつかしみと新しい出会いを楽しむものであるらしい。
このあたり、東京に子供の頃から住まう筆者の専売特許的なところもあるのだが、時折、東京に出向く「辺境の民」である当方にも、本書片手に彷徨ってみても面白いかも、と思わせるのが「横丁」の魔力というものか。
 「横丁」侮りがたし、なのである。

数日遅れでボジョレー・ヌーヴォーを呑んだ

解禁日から数日遅れであるが、なじみの酒屋さんから届いていたボジョレー・ヌーヴォーを呑んだ。解禁日が11月19日であるので、2日遅れというわけ。

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ボジョレー・ヌーヴォーについては、バブリーな時期にはっちゃけたことをいろいろしたせいで、ワインとしてはどうとか、あれこれ批判もあるし、それに対してヌーヴォーをつくる苦労とかなんとか、賛否喧しいかわけだが、まあ、「初物好き」と大目に見てくださいな、というのが今回の主張。

もともと日本人は「初鰹」とか初物大好きで、「初物を食べれば寿命が75日延びる」なんて言い伝えもあることで、味やらなんとやらでなく、「初」ってことが好きなんでしょうね。

「初物好き」は、都度都度、新鮮な思いでいろんなものに接するという心構えといえなくもない。ヌーヴォー、新酒、初物、これから新年に向けて、いろいろ「初」なものがでてくる季節を、やわらかな心持ちで堪能いたしませんか。

社会起業の成功は”熱気”が不可欠な気がしてきた ー 佐野章二「社会を変える仕事をしよう」(日本実業出版社)

「ホームレスに仕事を与える」という難題を解決するため、仕事を失ってホームレス状態になった人たちに、雑誌の販売の仕事を提供する。・・具体的には、300円の雑誌10冊を無料で提供し、販売者となったホームレスの人はその売上3000円を元手に、以後は1冊140円で仕入れ、それを得れば160円がその人の収入になる、それを繰り返すという「ビッグイシュー」という仕組み。本書は、その「ビッグイシュー日本」の創設者による「社会企業」についてのメッセージである。
構成は
第1章「誰かが困っている問題」を仕事で解決する手法
 困難な状況をビジネスで解決する「ビッグイシュー」
 問題の当事者を「主人公」にする仕組み
 貫け!自分流
第2章 普通の人にこそ、社会的企業は起こせる
 お金以上に、言葉とアイディアが勝負
 ピンチをいかにチャンスに変えるか
 ここぞというときに、「アホさ加減」を発揮できる人になろう
第3章 思い立ったら、すぐに組織はつくれる
 この指とまれ!ー魅力的な組織のつくり方
 チームづくりの基本は「自発性」
 現場では何でもありー「フラット」「オープン」そして「納得」
第4章 笑うマネジメントー組織をいかに動かし、自発性を育んでいくか
 「人」と「協力」は動きながら集める
 仲間は、笑いながらつくる
 人が交わって、社会が変わる
 「しんどいけど、うれしい」のが働く幸せ
第5章 問題を解決するには、仕組みづくりから
 「活動」を「仕事」にするには
 「本当に困っている問題」なら解決できる
 社会問題を解決するには、まず仕組みづくりから
エピローグ 1人ひとりに「出番」と「居場所」のある社会をつくる
となっていて、日本版ビッグイシューの生い立ち、今までの記録というより、ビッグイシューを通しての筆者の「社会問題解決」への思いが綴られている。
しかも、その解決手段が「NPO」「ボランティア」という形でなく、「企業」「株式会社」という形態をとっての問題解決であるが故の特殊性はあって
お金が集まるようなアイディアになるまで、アイデアを練る。(P53)
ビジネスが回り出すまでの時間を短くするための近道なんてない。あるとしたら、働く時間を増やし、集中して働くだけ。一刻も早くかたちにするために、とにかく働くしかない。(P31)
新しい事業が必要になっても、その事業がすでに社会にあれば、それを活用すればいい。一方で、社会にないときには。自分たちが別に新たな事業体をつくればいい。{P34)
といったあたりは、むしろ「起業」のアドバイスに近いものがある。
さらに、筆者が会社という形態を選んだのが「やめやすい」ということをあげ
NPOは社会にとって必要なことを社会のために立ち上げるものだ。意思決定の方法や所轄庁の認証が必要になるなど、NPOは「固い組織」だ。
これに対して、会社は事業を行うため、事業の展開がもっともしやすい「機動的」な組織であるともいえる。結果が出ずに赤字を出すと否応なく倒産し、やめなければならない。
(中略)
起業したけれど、しんどくなった。情熱が続かなくなった、そんなときは、もうやめて会社をたたんでしまったほうがいい。
と主張するのは、社会的課題の解決は、一時の「情熱」や美しいが硬直的な「理念」では当然無理であることと、続けるためには粘度の高い「熱」と「柔軟さ」を必要としているということであろうかと思う次第である。
今のところ、「NPM(ニューパブリックマネジメント)」が力を失った後、「新しい公共」が声高に語られる割にぱっとしない印象を受ける。
「制度の行政」「現場に強いNPO(ボランティア)」と言えるかもしれない。そこで現在は、行政が制度や政策の枠組みをつくり、NPOが現場に近い公共サービスを担うという分担が進みつつある。(P154)
という形がまだまだこなれていない証なのであろうが、筆者の
まず「問題」があり、その問題を解決しようという「活動」があって、次に、それが「仕事」になっていく。社会には数多くの問題があり、問題が多くあればあるほど活動が生まれる。そして多くの問題解決がなされるための仕事がつくり出され、それらの仕事が社会を網の目のように覆い、それらが互いに連携できれば、生きやすい社会になっていくのではないか(P137)
という循環を起こすためには、「社会的起業」「社会企業」の成立条件や育成・発展のメソッドなどさらに深掘りをしていく必要があるのかもしれない。
それと並行して
いま現代社会を、「窮屈で居心地の悪い社会」と見るのか、「個人が社会問題の解決に関われる時代になった」と見るのか、どちらに重点を置いて見るのかで社会の味方がまったく違ってくる。ソーシャルメディアの発達も含めて個人が力をもつようになったのが今の時代である。(P139)
ととらえ、個人の力を再評価すること、そんなところに閉塞した時代に穴を開けていく可能性があるのかもしれないね、といったところで、この稿は「了」としましょうか。

FeedlyからReederへ緊急乗り換えをした

ここ数日、iPhoneのFeedlyの調子が思わしくなく、Reederに緊急避難的に回帰した。
以前、Googleリーダーが健在な頃はiPhoneのRSSリーダーはReederを使っていたので先祖帰りではある。
Feedlyの調子が悪いというのは、Feedlyから原サイトに飛んで、そこでPocketに登録して再びFeedlyに帰るとフリーズしてしまというもので、何度か再インストールを繰り返したのだが改善しない。
しっかり読む記事をセレクトするには、やはりPocketとの連携は必須なので、当面、緊急措置をとった次第。
Reederの機能にはさほど不満はないのだが、Feedlyだとウェブアプリも提供されているので、WindoxsPCやMacからアクセスできて、スマホの一環管理が出来て便利なんである。なんとか早期に不具合が改善されないものであろうか

AV-LS700をBuffalo WLI-UTX-AG300Cで無線化する

NASとかに保存したMP4などの映像をAV-LS700というI-O DATAのネットワーク・メディアプレーヤーを使用しているのだが、難点はLANが有線しかないこと。ただ、USB端子はあるので、これを使ってなんとか無線ネットワーク・メディアプレーヤーとならないかと思った次第。

無線化できれば、今まで離れたテレビのところまで長々とケーブルを這わしていたのが解消できるというもの。で、購入したのがUSB接続の無線LAN子機のBuffalo WLI-UTX-AG300C.。TVや通常のPC、ゲーム機の対応は謳われているが、こうしたネットワークメディアプレーヤーで使えるかは不明。まあ、なんとかなるだろ、という根拠の無い自信に基づき購入。

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現物はこんなの。全長が7cmぐらいあって少々デカイ。

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これをAV-LS700のUSB端子に接続する。そしてAV-LS’00のLAN端子のジャックと、WLI-UTX-AG300CのLAN端子のジャックをケーブルでつなぐ。ケーブルは同梱されているのでそれを使ってもよいが、当方は既有のより短めのものを転用。

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正面からみるとこんな風。なにやらゴツい感じがするが、これで無線化できるなら致し方無い。

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無線LAN親機はBuffaloであったので、接続はAOSSで簡単に同期することができたので、トホホな当方としては少々拍子抜け。とはいっても無線化すると、よけいなケーブル取り回しもいらず部屋もすっきりとするので言うこと無しなのである。