2016-03

伊東潤

敗れた者の物語再び —  伊東 潤「城を噛ませた男」(光文社)

先だっての、”敗れた者”の物語の続編というべきのなのが本書で、時代背景は戦国末期の天下統一の頃。というのも、「敗れた者」の物語に心惹かせるには、強大で、しかも狡猾な敵方の奸計に落ちたり、あるいは奸計に落ちつつあると知りつつも・・、といったこ...
伊東潤

たまには「敗れた者」の物語を — 伊東 潤「国を蹴った男」(講談社文庫)

大河ドラマの「真田丸」がまずまずの滑り出しのよう。やはり大河は戦国モノ、しかも難しい理屈は置いといて成り上がりストーリーか強い敵に対応するストーリーでないといかんよな、と単純な歴史ドラマ好きは思う次第。 そうした単純な歴史ドラマ好きにとって...
ビジネス

”スローシティ”は”懐古主義”ではない — 島村菜津「スローシティ 世界の均質化と闘うイタリアの小さな町」(光文社新書)

「現代都市というものは、足を踏み込んで、最初はなかなか刺激的だ。わくわくする。し かし、ものの半時もすれば、友を見失ってしまうんだ。」 冒頭で、イタリアのスローシティの日本視察団が漏らす言葉である。 ゆるやかに流れる時を観光に、あるいは地域...
愛川晶

落語フリークのミステリーここにあり — 愛川 晶「神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件」(創元推理文庫)

<br /><br /> 落語がテーマで、主人公ないしは主要人物が落語家というミステリーといえば、北村薫の「わたしと円紫さん」シリーズが...
仕事術

人事異動にイラツイている人へのアドバイス

多くのところで3月は人事異動の時期であることは変わりがないらしく、東洋経済オンラインでも『「3月人事」にイラつく人にかけている視点』と題して、東レの元役員の佐々木常夫さんが、人事異動で主として、自分は評価されていない、あるいは、他人の昇進に...
ミステリー

少女マンガ的な味わいのミステリー — 森福 都「ご近所美術館」(創元推理文庫)

美術館ミステリーといえば、美術品の贋作話や、盗難といったことにまつわるものが多いのだが、一時は売れたが今は忘れられている漫画家の記念館的美術館が舞台とあって、そうした定番美術館見ミステリーとは程遠いのが本書。 登場人物は、その美術館(西園寺...
森谷明子

秋葉図書館の人間模様 ー 森谷明子「花野に眠る」(東京創元社)

<br /><br /> 東京の郊外、秋葉市の秋葉図書館を舞台にした図書館ミステリーの第2弾。 今回の構成は 第一話 穀雨 第二話 芒種 第三話 小暑 第四話 白露 第五話 寒露 となっていて、それぞれが独立した話で秋葉図書館の...
ワークスタイル

「デジタルより紙とペンが優れている」というのは本当か?

Lifehackerで「デジタルから紙とペンに回帰すべき理由」という記事が掲載されている。 趣旨的には仕事の効率面ではデジタル(PC)より紙とペンのほうが優れているという論調で、その理由は ・PCを使う場合より紙の場合が集中力が高まり、練ら...
仕事術

”先行きが見通せない時”の自分なりの処方箋

ついこの間、人事異動の内示を受けたのだが、しばらくは現在の職場で残務処理と向こうの受入の待機中である。 そんな時、小人閑してなんとやらの例えのように、あれこれと気を揉んで落ち着かない。うごめく気持ちの中には「ひょっとして体の良い左遷では」と...