西村ミツル・梶川卓郎「信長のシェフ 7」(芳文社コミックス)

さて、第7巻は、松永弾正、武田信玄の登場と比叡山の焼き討ち。

「信長のシェフ」の魅力の一つは、戦国時代のイベントや武将の固定観念を揺さぶってくれるところにあるのだが、この巻でも女・子どもまでみな焼き殺したといわれる「比叡山の焼き討ち」の本質がなんであったか、というところが読みどころの一つ。

まあ、当時、女色と酒食・肉食と堕落を極めていたといわれる比叡山が堅固に山を守っていたかというと確かにそういうベクトルは働かないよな、と思いつつも、信長軍の行状がこの巻のようであったら、「魔王」と敵・味方双方から恐れられた信長の姿は誰が喧伝したのか、そしてなぜ信じたのかといったところがこれから明かされるところか。

さらには、策謀家で裏切りが常といわれる松永弾正や、かなりの保守家で、仮に彼が天下をとっていたとしたら室町幕府の大勢は変わらず中世はもっと長く続いたであろうと言われる武田信玄をどう描いていくか、といったところは今後に期待。

加えて、信長の女忍者の「楓」が首尾よく、本願寺の料理人である「ようこ」のもとへの潜入に成功するわけだが、この展開も、次巻を待て、という感じ。

 

全体的に、急展開していくであろう次巻以降の準備期間という感じではあるな。

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