「伝え方」は学べるものだったんだ。– 佐々木圭一「伝え方が9割」+「まんがでわかる伝え方が9割」

説明やプレゼンの上手い下手、あるいは頼みごとの上手い下手というのは、天性のものがあって、とても努力で補うのはね、と思う方々が多いとは思うが、本書をそれに真っ向から歯向かって「伝え方にはシンプルな技術がある」「感動的な言葉はつくることができる」と訴えて、その技術論を教えてくれるのが本書。

なおかつ「この本は正しく、美しい日本語を学ぶための本ではありません」「この本は、人の心に届く伝え方を学び、身につけることでビジネス、人生で成功したい人のための本です」と言い切る辺りが小気味よい。

構成は

第1章 伝え方にも技術があった

第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術

第3章 「強い言葉」をつくる技術

第1章では伝え方は技術論で学べば誰でも上達するという入門篇、第2章、第3章がその技術論を教えてくれる本編といった形である。

で、その方法論は、といったところはネタバレがそのまま営業妨害につながるので詳細はさけないといけないのだが、さわりを紹介すると

お願いに相手がどう考えるか、ふだん相手は何を考えているか、相手の頭の中を想像します(P58)

ここで大切なのは相手の文脈でつくることです(P59)

といったところには、説得とかお願いっていうのは、どうしてもこちらの都合の良い文脈で頼んでしまうのが多いので、ちょっと目ウロコ。こうした技術論が惜しげなく語れれていくし、かなり平易な文章で書かれているので、サクサクと読めるのもハウツー本の基礎が押さえてあってよろしいですな。

で、もうひとつオススメなのが、「伝え方が9割」のマンガ版。主人公は若い編集者に仮託され、彼女が元編集者のオネエに出会って、いろいろ教わってという、マンガ版らしい構成なのだが、この女の子の成長度合いがすっきりと気持ち良いのと、原本に結構忠実に従っているのも好印象。

「伝え方」の技術論を平易に学ぶんであれば、どちらをチョイスしてもよいと思いますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました