2017-03

グルメ

ラーメンを題材にした歴史論的奇書 — 速水健朗「ラーメンと愛国」(講談社現代新書)

「新書」というジャンルは幅が広いせいか、結構な曲者が何食わぬ顔ではいりこんでくることがあって、おなじ講談社現代新書の坂口恭平氏の「独立国家のつくり方」が最たるものであろうと思うのだが、この「ラーメンと愛国」も、個人的には、そうした「魅力ある...
歴史

いろんな読み方のできる経済小説。組織運営論としてもお勧めであるな — 百田尚樹「海賊と呼ばれた男」上・下(講談社文庫)

昨年、昭和シェルとの合併をめぐって、創業家がどうこう、と騒ぎになった「出光興産」の創業者、出光佐三をモデルにした企業小説である。 構成は、上巻が 第一章 朱夏 昭和二十年~昭和二十三年 第二章 青春 明治十八年~昭和二十年 下巻が、 第三章...
井沢元彦

日本人を支配する行動理念は「言霊」の次は「朱子学」? — 井沢元彦「動乱の日本史 徳川システム崩壊の真実」(角川文庫)

日本人の行動性向に「言霊」という概念を持ち込んで、当方的には「ほーっ」と稀代の理論を教えもらったような気がしていたのだが、「江戸幕府」という日本が世界に誇る安定政権が「安定」していた仕掛けと、それが日本の現代にまでもたらした悪癖といったとこ...
ビジネス

「新聞」はまだまだ面白いメディアだ — 池上 彰「池上彰の新聞活用術」(ダイヤモンド社)

新聞の発行部数は、日本新聞協会のデータによると2016年現在で一般紙、スポーツ紙あわせて43,276,147部であるらしく、2000年の53,708,831部に比べると15年ほどで1000万部減らしている勘定になるらしい。だが、1世帯あたり...
ビジネス

ノートはデカイほど良い? — 横田伊佐男「一流の人は なぜ、A3ノートを使うのか(Gokken)

情報整理や発想のツールはいろいろあれど、「ノート」に拘る人は一番の多数派であって、これはデジタルなガジェットがどれだけ普及しようが、いまだに変わらないように見受けられる。で、そのお勧めされるノートのサイズも、人によって様々ななのだが、中でも...
ビジネス

いつでも、どこでも「デキる」人の行動法則 — 相原孝夫「ハイパフォーマー 彼らの法則」(日経プレミアムシリーズ

どこの職場でも「エース」と言われる人はいるものなのだが、コンスタントに懸案課題を解決したり、実績を出す人というのはいるようでいない。本書は、そうした人材へのインタビューやゔょうさを通じて、恒常的に高いレベルで成果を上げる人についてのレポート...
ビジネス

「デザイン」という視点からの仕事術の提案 — 佐藤オオキ「問題解決ラボ」(ダイヤモンド社)

仕事術にも流行り廃りがあるのは当然のことで、一頃は数値やデータをやけに強調した分析的な仕事術の流行が、その几帳面さゆえか盛りをすぎたように思ったら、「デザイン」という直感的なところに基礎を置く仕事術が隆盛となってきた。 その先頭にいると思え...
仕事術

池上 彰さんのスケジュール管理と手帳・メモ術

池上 彰さんの「伝える力」(PHPビジネス新書)を読んでいたら、氏の手帳の使い方についての記述を発見。 スケジュール管理が必要になったのは スケジュールを管理する必要に迫られるようになったのは、社会部の遊軍になってからです。遊軍とは、もとも...
ビジネス

「伝達すること」の難しさを吹き飛ばすテクニック — 池上 彰「伝える力」(PHPビジネス新書)

フリージャーナリストとして、様々な場面で顔をみる池上 彰氏による物事を「伝える」ための技術論。 もともとはアナウンサー、キャスターであるので、「喋り」自体はプロであるのだが、そjのプロがこうした平易な技術論を書くということは、ネタバレである...
竹村公太郎

こうした「歴史放談」は家呑みの肴にもってこいなのである。 — 竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける 環境・民族編』(PHP文庫)

「日本史の謎は「地形」で解ける」「日本氏の謎は「地形」で解けるー文明・文化編」の第三弾。一頃の「地形で解ける」ブームも一段落しているのと、三冊目ともなると当初の「地形という視点からみると、この風景や事象はこう見えるのか」といった驚きも一段落...