2017-04

宮部みゆき

術中に嵌って楽しむべし、円熟の変調百物語 — 宮部みゆき「三鬼」(日本経済新聞社)

<br /><br /> 怪談もの、怪奇話というと、とかく読後がざらざらしたものが残りがちのものが多いのだが、宮部みゆきさんの怪談ものは、最後の方になにかしら「救い」「光明」のようなものがある。 この三島屋変調百物語のシリーズも...
宮部みゆき

山深き里の怪物譚ではあるが、深い因縁話も混じり込んでおるな — 宮部みゆき「荒神」(朝日新聞出版)

&amp;lt;br /&amp;gt;&lt;br /&gt;<br /><br /> 最近、ビジネス系のレビューが続いていて、少々、生真面目さが鼻についてきたきらいがあるので、ここらで気分転換...
マーケティング

「成功物語」で自らを元気づけないとやってられない時もあるよね — 田村潤「キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え」(講談社+α新書)

「ブラック企業」といった働き方改革ものをレビューした直後に、こうした企業成功ものである。節操が無いと言えばないのであるが、精進料理の後は、がっつりとした肉も食いたくなるというものなのでお許しを願いたい。 さて、今回はビールの老舗、「キリン」...
ビジネス

ブラック企業問題の芯にある原因は「気綺麗事の社会」であるか — 今野晴貴「ブラック企業2 「虐待型管理」の真相」(文春新書)

前作「ブラック企業」で、日本の労働問題の重要な課題となっている、ブラック企業の実態を赤裸々にしたのであるが、本書は、その第2弾。 構成は 序章 ブラック企業問題とはなんだったのか? 第1章 わかっていても、入ってしまう 第2章 死ぬまで、辞...
ビジネス

ブラック企業の悪影響の大きさと悪辣さに愕然とすべき — 今野晴貴「ブラック企業ー日本を食いつぶす妖怪」(文春新書)

残業の削減とか、パワハラ・セクハラといった職場環境の問題は昔からとりあげられてきていたのだが、それが国家的な課題として政府や自治体を動かし始めたのは最近のことのように思う。もちろん、電通事件のようなセンセーショナルなものが引き金となったのは...
関 裕二

たまには「日本古代史」はいかが — 関 裕二「沈黙する女王の鏡」(ポプラ社)

古代史っていうのは、定説が定まらないか、異論があるところのものが一番面白くて、邪馬台国あたりの「日本の成立秘話」のところがその最たるものであろう。 といっても、宇宙人がどうこう、とか、ユダヤ人が日本の古代に、といった話までいってしまうとつい...
ビジネス

リーダー、組織の再生はどうすればよいか — 池上彰・佐藤優「新・リーダー論ー大格差時代のインテリジェンス」(文春新書)

現代日本屈指のジャーナリストと国際政治分析家の二人による「リーダー」の在り方についての論及である。 構成は 1 リーダー不在の時代ー新自由主義とポピュリズム 2 独裁者たちのリーダー論ープーチン・エルドアン・金正恩 3 トランプを生み出した...
ビジネス

「The 読書」  である — 斎藤 孝「大人のための読書の全技術」(KADOKAWA)

読書の効用は様々なところで言われるのであるが、「本」を読み取ること、たくさん「読む」ことと言うのは、気合だけではちょっとうまくいかなくて、「技術」「テクニック」ということをきちんと知識として学習しておく必要があるように思う。 本書は、有数の...
ビジネス

よりよく「伝える」には ”技術” が必要 — 池上 彰「わかりやすく<伝える>技術」(講談社現代新書)

ここのところ、池上彰さんの「伝える」ということをテーマにした本を続けてエントリーしているのだが、今回は、「わかりやすく<伝える>技術」。 「伝える力」の第1版は2007年、「伝える力2」の第1版が2012年で、本書「わかりやすく<伝える>技...
ビジネス

「伝える」テクニックの第二弾 — 池上 彰「伝える力2」(PHPビジネス新書)

前作「伝える力」で、伝達することの、かなりのテクニカルなものを披瀝されたのだが、その第2弾。前作から第二作の間に、東日本大震災があり、その際の政府や電力会社の情報を「伝える技術」の稚拙さが話題になっただけに、注目されたのも事実なニオであるが...