ビジネス ドラマチックでもなくセンセーショナルでもない「女性の貧困」問題は、社会意識の問題もあって、かなり根深い — 飯島裕子「ルポ 貧困女子」(岩波新書) <br /> 貧困問題が取り上げられて久しいのだが、「女性」の貧困をとりあげるばあい、とかく”性的”な色合いが加味されたり、シングルマザーに焦点が当てられるものが多いような気がしていたのだが、本書は「ドラマチックなストーリー」のない「センセ... 2017.07.31 ビジネス
柴田よしき プロ野球選手の奥さんの軽〜いタッチの謎解き — 柴田よしき「あおぞら町 春子さんの冒険と推理」(原書房) <br /><br /> 主人公は元看護士で、今はプロ野球選手の専業主婦の「春子さん」。青空市のマンション住まい(ベランダは広い様子)。夫の陽平くんは幼なじみで東京ホワイトシャークスというプロ野球チームの捕手。もっぱら二軍暮らし... 2017.07.30 柴田よしき
へうげもの 茶人大名、小田原でさらに脱皮する — 山田芳裕「へうげもの 五服」(講談社文庫) さて、本日は続いて「へうげもの 文庫版」の第五巻をレビュー。 年代は1588年1月~1590年5月 歴史的なエポックは、小田原の北条攻め。 先立って、あの山上宗二が北条氏に厄介になり彼の居場所を発見するのだが、これが彼の悲劇的な死の発端にな... 2017.07.27 へうげもの
へうげもの 禁令の出た時の立ち居振る舞いに、人の本質は顕になるものであるな — 山田芳裕「へうげもの 第四服」(講談社文庫) さて、引き続き、古田織部のコミックもの「へうげもの」に文庫版第4巻をレビューしよう。 年代は1586年~1587年。歴史的な出来事としては、家康の上洛、秀吉の九州攻め、禁教令の発布、聚楽第の完成と大茶会といったところで、秀吉の天下がこれから... 2017.07.26 へうげもの
へうげもの 太平になりそうになると、なにやら蠢くのが世の常か — 山田芳裕「へうげもの 三服」(講談社文庫) このところ、続けてエントリーしている、古田織部シリーズの文庫版第三巻。 時代的には1582年6月〜1586年6月。本能寺の変の後、秀吉の中国大返し、そして光秀が破れて秀吉の天下となるところ。市井の説による、明智光秀が天海僧正となる話は、どう... 2017.07.23 へうげもの
へうげもの 茶人大名の「本能寺」 — 山田裕裕「へうげもの 第二服」(講談社文庫) 茶人大名 古田織部を主人公にした歴史コミックの文庫版第二巻。 構成は 第十四席 mt.富士レストラン 第十五席 レイン フォール ダウン!? 第十六席 今宵はイートイット 第十七席 幻惑されて 第十八席 天下を憐れむ歌 第十九席 未来への讃... 2017.07.22 へうげもの
へうげもの 茶人大名という異色の人物を主人公にした戦国歴史もの — 山田芳裕「へうげもの 第一服」(講談社文庫) 歴史コミックの構成は、もちろん、歴世の英雄をもろにとりあげる「良い子の伝記」モノのようなものもあるのだが、コミックとしてきちんと読めるものは、英雄の側に異物(例えば、未来からタイムスリップした高校生なんてのだよね)をすべりこませるか、歴史上... 2017.07.19 へうげもの
ビジネス 「働き方改革」の行方を暗示する、日本人の”勤勉性” — 礫川全次「日本人はいつから働きすぎになったのかー<勤勉>の誕生」(平凡社) どうやら、「働き方改革」の目指す方向は、”生産性の向上”という極めて日本的な方向を目指し始めたようで、その意味で、多くの経営者・労働者や、コンサルタントの方々には扱いやすい話になりはじめているようだ。 本書はそんな情勢に棹さすという意図はな... 2017.07.17 ビジネスブックレビュー
ビジネス 「1992年以降の小学校入学+バブル崩壊後+スマホほぼ全員普及+SNS隆盛」という世代の特徴は? — 藤本耕平「つくし世代」(光文社新書) 「世代論」というのはいつの時代でも根強い人気があるもので、たいがいは年齢の上の世代から、下の世代に向かってなされるもので、たいていは「今時の・・・」とかで始まり、「時代も変わった・・・」「あの頃の世代は・・」てな繰り言で終わるのが常であまり... 2017.07.14 ビジネスブックレビュー
歴史 古代中国の、歴史上埋もれてしまった「中原と草原」のもう一つの大戦争 — 臏(ビン)〜孫子異伝(ジャンプコミックスデラックス) <br /> 岩波文庫版の史記列伝をみると、龐涓によって、膝から下を切断する刑を受けたということや、田忌将軍に雇用され、将軍が王子・貴族達との馬車レース、さらには魏の趙への侵攻を退けたり、龐涓との因縁の戦闘のあたりは記述があるのだが、残念な... 2017.07.11 歴史