2017-12

テクノロジー

「AI]に追い抜かれるのはいつなのか、と「親」のような気分で考えてみる — 斎藤和紀「シンギュラリティ・ビジネス ーAI時代に勝ち残る企業と人の条件」(幻冬舎新書)

新しい技術というものは当然。光の部分と影の部分があって、どちらにその目を向けるかがくっきりと分かれるものだのだが、「AI」については、職が奪われるという否定的な側面が結構強く主張されているような気がする。 もちろん「AI」が人間の知能を追い...
出口治明

「教養」という言葉で何を連想しますか? — 出口治明「人生を面白くする 本物の教養 」(幻冬舎新書)

「教養」という言葉ほど、日本の近現代の中で、明治から昭和初期の頂上のあたりから、バブル崩壊後グローバリズム全盛期の底辺期まで、毀誉褒貶のアップダウンが激しかった言葉もないような気がしている。  そして、現在の混沌期も「教養」というものに対す...
和田はつ子

怪談落語の影には、昔の未解決事件あり — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 へっつい飯」(時代小説文庫)

シリーズ8作目の季節は夏で、6作目と同じ趣向で、落語仕立てである。ただ、6作目と少々異なるのは、収録されているそれぞれの話が完全に独立ということではなくで、太い筋を基本において、一つの話としてまとまりをもっていること。   収録は 「へっつ...
坂井希久子

物語は進行する。けれど謎は深まる — 坂井希久子「居酒屋ぜんや ころころ手鞠ずし」(時代小説文庫)

「ほかほか蕗ご飯」「ふんわり穴子天」に続いての「居酒屋 ぜんや」シリーズの三作目。 収録は 「大嵐」 「賽の目」 「紅葉の手」 「蒸し蕎麦」 「煤払い」  の五話。 林只次郎も「ぜんや」の馴染となってきて、そろそろ女将の「お妙」との仲が心配...
ビジネス

立身出世だけにとらわれない、汎用的な「リーダー論」の基本書の一つ — 河野英太郎「99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ」 (Discover)

前著「99%の人がしていないたった1%のコツ」で仕事の段取り関係のビジネス本で評判をとった著者の今度は「リーダー論」。 「リーダー論」というと、どうしても会社などの組織上の「地位」と密接不可分なところがあって、例えば佐々木常夫氏の「そうか、...