若い「疾走者」、そして良き「伴走者」の”声援”を聞いておこう — はあちゅう『「自分」を「仕事にする生き方』(幻冬舎)

Amazonのレビューを見ると、賛否それぞれにあって、ああ前を行く「疾走者」は、走っていく快感もあるが、向かってくる風も強いのだろうな、と、彼女への風の強さを想像してしまう。ただ、そうした逆風があっても、前へ走っていく筆者の様子は、「スゴイね」とエールを贈りたくなる。
 
構成は
 
1 自分のすべてを有効活用しながら楽しく、無駄なく生きていく
   →自分の中に埋もれた好きを見つける方法
2 仕事は自分が生きやすい世界をつくるためにある
   →好きなことをお金に換える方法
3 会社を辞めることだけが、自由に生きることじゃない
   →自分の肩書をつくる方法
4 楽しそうなことにはどんどん飛び込む
   →行動を多くし、決断を速くする方法
5 あたりさわりのない、いい人のままで終わらない
   →人を惹きつける方法
6 こだわりも熱意もない仕事はただの作業だ
   →信頼を得る仕事のやり方
7 誰だって不安とともに生きている
   →頑張れない時の身のこなし方
8 自分を仕事に。生きることを趣味に。
   →人生をフルに楽しむ方法
 
となっているのだが、基本は著者がネットや執筆活動の中でどこを目指し、目指そうとしているのか、そして、その過程で感じたことを著した「エッセイ的」啓発書といった具合に読んだ。
 
「良いな」と思ったのは、けして他者を無責任に煽り立てていないところと、奇をてらったところはなくとも基本の部分含めた励ましの声をかけているところ(ここを批判している人は多いみたいね)。
 
とかく、若い成功者の啓発本は、自分がこうして成功したので、これしかない、他のやり方やるやつはバカ、みたいな論調のものをよく見かけるのだが、この筆者の場合は、自分の例と思いを喋りながらも押し付けることなく、「伴走者」のように語ってくる感じが好ましい。
 
当方のように会社人間ながらその会社人生も定年間近となった身には、ここはちょっと同じスタンスはとれないな、という部分もあるのだが、総じて、本書は、若い人が、自分の人生を設計し、チャレンジしていく上で、先を行くランナーの助言、声援として認識しておくべきだろう。
 
筆者の走っていく方向は、まだ変化するかもしれないが、夢中で疾走していく人の姿は良いね、と思わせる一冊ですね。

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