美女と美女の「格闘」は、とても魅力的ですなぁ — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 水妖日にご用心」(アフタヌーンKC)

「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズのコミック版は、マガジンZKCから11冊にバインディングされて出版されているものがあるのだが、これは講談社からの出版で、上記のシリーズとは別物。
とはいうものの、漫画家は同じなので、絵柄は変わらず、涼子サマの麗しいお姿を拝見できる。
筋のほどは、南アジアのメヴァト王国の第二王子で内務大臣のカドカ王子が、東京ディズニーランドをもじった「ザナドゥ・ランド」という遊園地内で、半魚人に模した女性に目を竹串で刺されたところから事件がスタート。
実はこのメヴァト王国、前国王一家が変死して現国王に王位が引き継がれたという、おきまりの国家内乱の種が仕込んであって、半魚人女に、王子を殺した時に「弑逆者の末路を見たか!」と叫ばせたり、「メヴァトの建国よりもっと古い・・もっとおぞましい秘密」の存在を示唆したりとか、相変わらずの「怪奇」方面への誘導も「しっかり」である。
その後の展開は、カドカ王子が実は影武者であったり、とか、メヴァト王国に伝わる「ゴユダ」というワニの化身の伝説であるとか、APCというアメリカのシリコンバレーに本社をおく、希少金属を扱うグローバル企業であるとか、話の深みを増す「Tips」は十分用意されているので、このへんをサイドメニューにしながら、メインディッシュである、涼子サマと半魚人女との警視庁の屋上での大バトルを楽しむ、ってのが良いと思うのである。
今回は、憎たらしい金の亡者や、ゲスな権力亡者+スケベオヤジといった、典型的な「悪役」キャラはでてこない。純粋に、美女と美女との「果し合い」をお愉しみあれ。

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