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学校図書室という閉鎖空間での”ほのぼの”する謎解き人情話 — 竹内 真「図書室のキリギリス」(双葉文庫)

学校の図書室っていうのは町の図書館と違って、その学校の教職員、生徒の利用がほとんどということで、ミステリーの舞台としては学園モノが中心となる。

この「図書館とキリギリス」もそういう側面をもってはいるのだが、主人公の「高良詩織」の前任者であるとか、前の夫であるとか学校以外の役者を持ち出しているせいか、学園モノ特有の閉鎖的なイメージは薄い。

第一話で、主人公が物に残された残留思念が読み取れる特異な才能を持つと出てくるので、こいつは八雲ばりの心霊探偵ものか、と疑ったのだが、謎解きのアクセント程度の味付けであったので安堵した次第。

収録は

図書室のキリギリス

本の町のティンカー・ベル

小さな本のリタ・ヘイワース

読書会のブックマーカー

図書室のバトンリレー

の6編。

ざっくりとレビューすると

「図書室のキリギリス」は、主人公「高良詩織」が音楽教師をしている親友”井本つぐみ”の紹介で直原高校の学校司書に就職する物語の発端のお話。校長先生が出す「マルハナバチ」の名前の謎とこれからの登場人物レビューといったところで、図書館担当の若森教諭や最初のうちのストーリーメーカーの”茅島 楓”ちゃんの登場。

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