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中村好明「インバウンド戦略」「観光立国革命」

最近、デビッド・アトキンソンものであるとか観光のビジネス書を仕事の関係もあって読んでいて、この二書もその一環で読んだもの。

 

筆者はドン・キホーテのいわばインバウンド担当みたいな人であるのだが、関係者に聞くとドンキの社業とは離れて自由に「インバウンド」の普及のしごとができるということであるらしい。

 

内容的には、インバウンドの取組の創世記の頃の話であるとか、インバウンドが日本経済が高成長になる上で必須であることといったことで、多くは今となってはよく聞く話であるのだが、そこは実際に現場でタッチしていた人間の言葉であるので、そちこちに重みのあるのは事実である。インバウンドや観光の手引書あるいはノウハウ本ではなく、インバウンドについての啓発書として読むべきであるか

デビット・アトキンソン「イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る」(講談社+α新書)

「新・観光立国論」で大ヒットし、日本遺産や国立公園関係の政府のプロジェクトでも枢要な立場となっている、アナスリスト出身の文化財保護会社の社長でもあるアトキンソン氏の2014年の著作。

「新・観光立国論」ではほんのりと出ていたとは思うのだが、けして根っからの日本フリークではなかったイギリス人による日本分析と日本応援ということを念頭に読んでいったほうが、原も立てずの最後まできちんと読めると思う。

構成は

第一章 外国人が理解できない「ミステリス・ジャパニーズ現象」
第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
第三章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
第四章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
第五章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
第六章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす

となっていて、日本文化の賛美といったことはあまり期待しないほうがよい。

論調が小気味よいのは確かで、日本の経済成長が日本人の勤勉さや日本人の特性といったことではなくて、人口ボーナスによるところをきちんと踏まえないといけないところとか、近頃よく言われる「シンガポールに倣え」は人口スケールの面でちょっと的外れなこと、日本人が誇る「おもてなし」は実は生産者優位の延長にあるとこと、といった風に、最近の主流の論調に冷水をかける態であって、そこは結構妙な爽快感がある。

ただまあ、その主張を、欧米のエライ方がといった感じで丸のまま受け入れてしまうのは、よくある外国通のなせる技である。そこらをほうほうと受け止めながら、でもな、と違う側面を見出してくるのが正当な反応と考える訳で、sこらは各自がそれぞれの分野で実践いただきたいところではある。

とはいうものの「良薬は口に苦し」という言葉もある。25年にわたって日本に住んで、直截な批評をしてくれるイギリス人の話に耳を傾け、あちこち反省して対応案を考えてみるべきでありましょうな。