(ブックレビュー)コミックでわかるアドラー心理学(中経コミックス)

ビジネスや心理学、古典など、活字の方から入るとちょっと小難しいものを、コミックから入るというのは邪道かもしれないが、なにより手っ取り早く基礎知識を頭にいれることができるので、結構活用させてもらっている。

構成は
Prologue 人生の悩みはすべて「人間関係」でできている_アドラー心理学の基本前提
Chapter1 自分の「変わりたい」気持ちを信じるー劣等感と補償、劣等コンプレックス
Chapter2 人には人の数だけ生き方があるーライフスタイルを知る
Chapter3 人に「変われない部分」などないートラウマを捨てる
Chapter4 生きる目的をより深く理解するーライフスタイルの型
Chapter5 人生の本当の目的とはーライフタスク(人生の課題)は3つしかない
Chapter6 心を満たす幸せのかたちー「共同体感覚」を持つ
となっているのだが、アパレル店の店長を部下と人間関係のトラブルから辞めた主人公(坂井麻衣)が、シェアハウスで塾の経営者や家族と離れて暮らしている気むずかしい中年オヤジ、キャバクラ嬢などと知り合い、ぶつかり合いながら、塾の教師として新しい生きがいを生み出していく、その過程で自分が今までキャッチアップ型人生をおくってきた心理的理由などが明らかになっていく、というコミックに、要所要所でアドラー心理学と解説が入るという、こういう種の本の定番的な構成。
こうしたコミックの啓発本というのは、実は解説の良し悪しよりも、コミックの良し悪しによることが多いのだが、本書は、若干、少女コミックっぽさが漂うが、絵もキレイで、よろしき出来。
ストーリーも、店を辞めてどん底にいる女性がしっかり立ち上がっていく、といったもので、成り上がりものが好きな当方としては、好みのストーリーであるととともに、
「劣等感を認めることと、目的を持つことによる克服」
   ↓
「人ぞれぞれの克服の仕方の気付きと他者の容認」
   ↓
「共同体意識と共同体への貢献」
といったアドラー心理学の要点(あくまで、私の解釈なのではありますが)に沿っているので、基礎に忠実なつくりともいえる。
実は「勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本」も一緒にも買ったのだが、それと平行して、本書を読むといった形で予習・復習しながら「アドラー心理学」の基礎知識をようよう頭にいれた。真面目に「アドラー心理学」を学ぼうという方は入門本・副読本としての活用もありかな、と思う次第である。

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