Kindle パブリッシングの期待と懸念

「金持ちサラリーマン」や「わかったブログ」のかん吉氏がKindleで「人気ブログの作り方:5ヶ月で月45万PVを突破したブログ運営術」というのを刊行している。このお値段が日替わりや月替りのセールでもないのに280円という格安さ。
これはKindleのmobiデータをつくってAmazonのKindleダイレクトパブリッシングで出版しているからできることらしく、ブロガーを始めとした弱小著者には出版のハードルをかなり低くしてくれるシステムのような気がする。
日本の出版物は、そのレベルや販売を担保する仕組みが頑健で再販システムはKindleなどの電子書籍の黒船勢が押しかけてきたさいの揉め事でも有名だが、出版をする仕組みにしても、出版社、編集者が関与して書物を仕上げていく仕組みが強固に作用しているから、パブリッシングの速度性は失われるのは間違いない。
ただ、あながちこの編集者・出版社システムが「悪」かというとそうともいえなくて、Koboが日本で始まった時のエロものや青空文庫もので埋め尽くされていたことを思うと、ある意味おせっかいなシステムがあるから製品の質が保たれているのだと言えなくはない。
では、こうした質を担保しながら、セルフパブリッシングのようなハードルを下げる仕組みをつくってはどうだろうか。
それは、買う人が判断する、判断がしやすい仕組みをつくるということにほかならなくて、一つのアイデアはAmazonが一部の書籍でやっているような「立ち読み機能の充実」。
目次は当然、本文をどこまで見せるか、ということが結構難儀をしそうだが、紙の本でも、かっては書店で全部立ち読みしたぞ、といった武勇伝があったことを考えれば、システム的に書店のオヤジの睨みやはたきをかける機能が付加されればなんとかなりそうな気がする(一定の連続立ち読み時間がくるとブラックアウトする、とかね)のだが、いかかであろうか。

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