いよいよアテネと戦争開始 ー 岩明均「ヒストリエ 7」

第7巻で描かれるのは、マケドニア宮中のアレクサンドロスの二重人格者の件とエウメネスの発明(?)する将棋が中心。

どちらかというと、アテネとの戦闘に向かう第8巻以降の準備といった印象が強く、収録は
 
第58話 ヘファイスティオン・2
第59話 ヘファイスティオン・3
第60話 ヘファイスティオン・4
第61話 ミエザ
第62話 将棋で勝負・1
第63話 将棋で勝負・2
第64話 将棋で勝負・3
第65話 同盟都市カルディア
第66話 2都市攻略戦・1
 
となっている。
ただ、アレクサンドロスの母親オリュンピアスの蛇信仰(ディオニュソス信仰)の怪しげな感じとか、血統へのこだわり(フィリッポスのマケドニア王家の祖先がヘラクレスで、オリュンピアスの実家の祖先がアキレウスという、なんともセレブ中のセレブがアレキサンドロスということらしい)なんてところは出てくるので押さえるべきところは押さえてある。
さらには、将来、アレクサンドロスの有力な武将となるペウケスタスの登場とか、さりげなく重要人物を配置されていっている。
 
 
巻の後半、ようやっと話が疾風怒濤の戦乱編突入といったところで、ギリシア統一に向かうマケドニアとアテネとの戦乱が本格化する。エウメネスもマケドニア王国の臣下となって始めての戦闘参加である。
 
第65話では、故郷カルディアに駐屯し、なにやら韓信の股くぐり的なエピソードがあるが、なんともキレがいまいち。ここは韓信に競べ、エウメネスが優しいせであろうか。
 
なにはともあれ、最終の第66話では、ギリシアの英雄カレスも到着し、いよいよマケドニアとアテネの本格戦争の幕開けである。エウメネスも頭角をここらで表すはずなので、第8巻以降に期待をかけて今回のレビューは了。
 
なんか今回は引用したい名言はちょっとなかったな。
 
<おまけ>
今回発見したのだが、マケドニアの人物伝とかマケドニア史は「ヒストリアイ」というHPが妙に詳しいので、ご興味ある方はどうぞ。

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