高橋政史「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」

コンサルティングファームのマッキンゼーの仕事術は、大御所の大前研一先生をはじめ、多くの人があちらこちらで書いているので、重複することも多い。
この「方眼ノート」のことも片鱗は、そこここで紹介されているのだが、「方眼ノート」の使い方そのものを取り上げているのは珍しい。
構成は
[はじめに]マッキンゼーのコンサルタント、東大合格生が使っている「方眼ノート」
第1章 人生を変えたければ「ノート」を変えよう


第2章 マッキンゼーのコンサルタントが必ず使う「マッキンゼーノート」の秘密


第3章 人生の基本!「勉強ノート」をきわめる


第4章 仕事ノートは「捨てる」ノート


第5章 一生の武器になる「プレゼンノート」をきわめる


[おわりに]あなたの「夢を叶えるノート」
となっているのだが、基本の基本は 
法則1「方眼ノート」(A4)を使う
法則2「見出し」をつける=ノートの上部の白いところに見出しをつける
法則3 「三分割」して使う=左から右へ、ノートを三分割し、「ファクト(事実)→解釈→行動」の流れでノートを書く (P18)
で、ノートの構造は

<方眼ノートの基本構造>
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| 見出しスペース=「論点」と「結論」       |
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|       |        |       |
|事実(板書) |解釈(気付き) |行動(要約) |
|スペース    |スペース    |スペース    |
|       |        |       |
|       |        |       |
|       |        |       |
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勝負ノート(プレゼンノート)
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| ・見出しスペース=「論点」と「結論」  |
| ・行動(要約)スペース         |
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|          |          |
|事実(板書)    |解釈(気付き)   |
|スペース       |スペース         |
|          |          |
|          |          |
|          |          |
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となっていて、「東大生の合格ノート」や「コーネルノート」とは、構造的な理念は一致しているようだが、配置が結構異なっている。
半ばお気楽に、「方眼ノート」の要点をピックアップすると
①外資系コンサルタントは方眼ノートを「ヨコ」向きで使う。サイズはA4
 人間の思考は「眼の構造に左右される」。視界はヨコのほうが広くなる。視野が広く使え、ノートの全体像を瞬時にとらえられる
②方眼ノートに使う色は「単色(黒か青)」、チェックやフィードバックのときは「赤」を使う
 黒や青でノートを書き、「赤」を「決めの色」として使う。つまり本当に重要なポイントや修正すべきポイントは赤。
シンプルに色を使い分けると、ノートをとりばがら自然に重要なポイントに思考がフォーカスされていき、意味のないものは捨てる決断ができるようになり、課題解決のスピードとクォリティが磨かれていく
③見出しスペースには、勉強なら「タイトルとポイント」、ビジネスでは「論点と結論」を記入する
 1テーマ1ページに限定する
④たくさん書いてたくさん捨てる
 できる外資系コンサルタントは「1万枚の法則」から生まれる。
 コンサルタントが一人前になるには一般的に3年間かかる。その間、1日10枚近く、方眼ノート上に。問題提起→改善・解決策を書いては捨てる。を繰り返す。すると1年間で3000枚、3年間でざっと1万枚。
⑤外資系コンサルタントは、いきなりパソコンに向かわない。 
 本質を見極め、ポイントが整理できていないうちにパソコンで資料作りに入っても、的外れで洗練されていない資料の山が積み上がってしまうだけ
 なので、その構想をしっかり練り上げる、まとめるツールとして「方眼ノート」を使う
といったことであるようだ。
ま、「ノート術」本は大抵、その本のメソッドに結構こだわって排他的に、いわば宗派争い的になりがちになるのが常であるので、この辺りは、読者の方でいくつか試してみて、ノートの種類やメモの種類など、自分の仕事や感性に合うものをチョイスしようというぐらいの気持ちでいったほうがいいように思う。

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