中公竹義「100円ノート「超」メモ術」(東洋経済新報社)

ノートの種類やノートの品質など拘ったり拘らなかった、ノート術の筆者やノート愛好家によって態様は様々なのだが、コンパクト、軽量、安価の点を重視するのが、この「100円ノート「超」メモ術」といっていい。
構成は
Part1 これがシンプルで最強のメモ術だ
 フツーのノートが戦略ツールに変身


 シンプルだから、だれでも使いこなせる


 重ねた挫折体験が「超」メモ術に結実


Part2 「超スピードノート」をつくる


 なぜ「1冊のノート」に書くのがルールなのか


 「超スピードノート」のつくり方


 実際にどんなノートを使うのか


Part3 「超」メモ術を実践する【入門編】


 「超スピードノート:にはこうしてメモする


 ただの”雑記帳”としないために


 超スピードメモ機能で「1秒で記入開始」


 超スピードメモ機能は脳に余計な負担をかけない


Part4 「超スピードノート」の使い方【中級編】


 必要な情報は検索機能で瞬時に見つけ出す


 検索をスムーズに行うには


 ”体感型”の「超」メモ術がなぜスグれているか


Part5 「超スピードノート」の使い方【上級編】


 情報の中から問題を可視化できる


 自由なページ拡張でデータベース化を実現


 目指したのはペーパー・コンピュータ


Part6 「超スピードノート」の使い方【実践編】


 タクシー運転手と超目も術


 ビジネスマン(営業)の顧客管理法
 レシピの「超」メモ術
なのだが、通常の使い方であれば、「中級編」のあたりまでで概略はわかる。

使うノートの種類は「A6版のノート」と小さめのサイズで、いつでも持ち歩けることが重視されている。他のノート術と大きく違っているのは、
・表紙の右下角を、親指が当てられる程度の大きさに切り取る(カッターかハサミで角を三角形に切り落とす)
・裏表紙の小口側(裁断面側)の中央あたりに、上下3〜4センチメートル、幅3〜4ミリメートルの切込みをいれ切り落とす。ここはメモしたページを検索して探し出すのに使うので、やや鈍角にする。
といった下処理が必要となる点。
これは筆者のノート術の主要テーマは「ノートをデータベース化する」「ノートをペーパーコンピュータにする」なので、その下拵えが必要となる所以。
メモ術、ノート術の要点は
①どんなことでも1冊のノートに書く
 (複数あると、書くべき内容にあったものを選び、どこにあるか探すのが大変)
②書き終えたら、その見開きページの右下角をちぎる
 (次にメモをしようとおもったときに、ちぎった部分に指をかけるだけで、空白ページをすぐに開くことができる)
③書き終えたら、インデックス(項目名)と検索マークをつける
④本文(メモ)→日付→タイトルの順に書く、1ページには1案件
⑤案件によっては当初のアイデアを発展させたアイデアなどを書き加えるケースも出るので余白を容易しておく。
 追記は色を変える(1回目の追記は赤。2回目の追記は青)
といったところであるろうか。ノートの「データベース化」「ペーパーコンピュータ化」であるで、基本的にノートに書かれたデータは何度も使う、時間の経過によって追記され内容がバージョンアップされる、という点は他のノート術よりも強調されている。
このあたり、以前取り上げた「ゼロ秒思考」のA4メモ術と対極にあるもので、どちらが良いかは好みも別れるだろう。ただ。「ノート術に興味がある」あるいは「ノート術を磨いて仕事やプライベートに活かしたい」ということと収集・整理癖の強い人は、この「100円ノート「超」メモ術」の方が親和性が高いような気がする。
ただ、一方で紙のノートを使えば使うほど生じる、大量紙データの保管の問題などについては一考が必要な点が残っていることは事実で、デジタル愛好家などが使おうとすると、検索性、スペース占有の面で不満が残るであろうのも事実で、ここは今後の工夫を要するところであるな。

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