年齢なりに我儘にやってみるという選択肢もありかー弘兼憲史「50歳からの「死に方」ー残り30年の生き方ー」(廣済堂新書)

弘兼憲史さんの本は、時にして説教臭くなるところがあって、敬遠することも多いのだが、これからの人生とか、老後とかの話を聞いてみるには、やはり、外せない存在ではあろう。
構成は
序章 それは夏の終わり
第一章 直面する現実と覚悟
第二章 これから、どう生きるか
第三章 今、すべきこと
第四章 その先にあること
となっていて、普通なら、小見出しまで紹介するのが常なのだが、今回の場合、小見出しが、第二章の「これからどう生きるか」といったところでは、「「友達を」減らしなさい」とか「「起業という選択は誰でも可能か?」といったものとか、第三章の「今、すべきこと」では「叶わない夢は持たない」とか「オタクを極めてプロになる」とか、小見出しがそのまんまアドバイスといった感じがあるので、今回は省略。
本書の本来の対象は、40代後半から50代始めといったあたりで、という方のように50代半ばをこえたあたりはちょっと対象ではない気がするのだが、いまだ迷いのつきないロートルも仲間にいれてもらいたい気分ではある。
で、本書の特徴というか覚めたところは、できないものはできないでしょ、といったあたりにあって、定年後というと「起業」をやたら勧められることが多い中で、資金と気持ちに余裕がなければ起業はやめておいたほうが、であったり、「オタク」という生き方を改めて勧めてみたりといったところであろう。
たしかに本書の言うように、齢を重ねてくると動じることが少なくなるとともに、失うものも多くなる一方で、命や世間的な成功など失ってしまう実例にも遭遇することも多くなる。
最後のところは、「やりたいことやるのが一番じゃね」といったシンプルなところに落ち着いてしまいそうになるのが、単純なところではあるか。
ま、50代ともなれば短いようで長く、長いようで短い余生、思い残すことのないようガンガン行こうと思ってみる、というのを夢想しますかね。

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