女性二人の企業再生ストーリー ー 碧野 圭「書店ガール」(PHP文芸文庫)

稲盛いずみ、渡辺麻友の出演で最初評判をとったものの、失墜してしまったTVドラマのせいか、再度のドラマ化や映画化の話が見えてこないのは、このお話にとっては不幸な事かどうかはわからないのだが、ドラマ化の話を抜いても、かなり面白く読める小説であるのは確か。

主要キャストは

西岡理子、40歳独身、父親と二人暮らし。ペガサス書店の古手店員

北村(小幡)亜紀、27歳の西岡の部下。配偶者は小幡伸光という出版社の副編集長。新婚

という二人で、彼女たちのそれぞれの取り巻きやら、反対派やらといった人たちが周りを取り囲む。

というのも、西岡理子はペガサス書店初の女性店長に抜擢されるが、その吉祥寺店は数月後に閉店されることが決まっており、体の良い後始末役として本店幹部たちに利用されていうということ。

理子は閉店を阻止すべく立ち上がり、その過程で、仇敵関係にあった亜紀と共同戦線を張るのだが、その成否やいかに、といったところがあらすじ。

閉店阻止の方策として、彼女たちが仕掛ける漫画家のサイン会とか、クリスマスフェアとか、営業成績向上のために取る手も様々なトラブルがあって面白いのであるが、平行して読み応えのあるのが、書店内の女同士の争いや、理子が抜擢されて明らかにある男の嫉妬、そして閉店決定をした意外な本ボシの正体とは、といったところも、怖いもの見たさでワクワクするのである。

TVドラマの大コケで敬遠していたのであるが、どうやら食わず嫌いであったようであります。

まあ、最後は次作を読め、とばかりの結末となるのだが、成り上りものストーリの好きな方はおススメであります。

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