高橋留美子「高橋留美子劇場 4」(小学館 Kindle版)

とりあえず今のところリリースされている「高橋留美子劇場」の最終巻。

収録は

「ポジティブ・クッキング」

「年甲斐もなく」

「運命の鳥」

「しあわせリスト」

「隣家の悩み」

「事件の現場」

初出は2007年から2011年。長編連載としては「犬夜叉」の末期、「境界のRINNNE」の初期といったあたり(もっとも「境界のRINNE」はまだ連載中なので、初期という表現が適当がどうかはよくわからんが)。

時代的にはかなり今(2016年)に近づいているので、過去の思い出の世界というより、ついこの間の時代といっていい。ただ、動きの早い時代であるので、2007年の新型インフルエンザやタミフルといった話題や2010年のWindows8のリリースなどは、かなり遠い話になっているのは確か。

収録話のストーリー的に目立つのは、家族が意外な一面を発揮しててんやわんやになるもといったものや、社宅の隣家の上司の奥さんの浮気疑惑で浮き出る嫉妬の数々、とか。姉の突然の同居で揺さぶられる弟家族の平穏であったが、といったところで、騒動のあとの大団円というもの。

まあ、社会の不安が増して、行く末のわからない事態が増えれば増えるのであれば、それと反対に、フィクションの世界は予定調和の世界を描いてもらわないとやりきれないよね、というところで、これが世間が平和であればフィクションの世界では乱世、不安定を求めるのであるから、人間というのは気まぐれなものである。

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