黒川依「ひとり暮らしのOLを描きました」① (ゼノンコミックス Kindle Unlimited)

幸いなことに、娘は実家の近くに就職していて、自宅通勤状態であるので、身につまされる量は少ないのだが、仮に、娘がこんな感じで都会で頑張っていたら、すぐさま迎えにお父さんは行っしまうぞ、といった、年頃の娘を持つ父親にはちょっと「うるうる」感を呼び覚ましてしまうコミックである。

収録は

1日目 こんなにいいお手m喜なのに会社を行くためのエネルギーを蓄えているひとり暮らしのOL

7日目 いつの間にか1ヶ月が終わってたことに愕然とするひとり暮らしのOL

21日間 今週末こそ有意義な時間を過ごそうと思って早寝したのに起きたらもう夕方になっていたひとり暮らしのOL

といった28編とおまけの同窓会編2編が収録されているのが第1巻。勝手な想像ではあるが、主人公は中堅企業の総務ないしは営業系のOL。会社ではどちらかというと目立たないかあるいは叱られ役のほう。出身は地方都市で地元の近くで就職しろという親の声を振りきって都会(東京だろうね)で就職したので、そうそうは親に泣き言も言えない、といった具合。

昔、高度成長やバブルの時代は、大概一旗を挙げに都会にやってくるのは「男」であって女性は「木綿のハンカチーフ」よろしく田舎というか出身地にあって、けなげに地元を守って切らすているというのが通例出会ったのだが、女の子たちも都会に吸い寄せられ、「資本主義」の体制に組み込まれてしまうのが、最近の「グローバル主義」というものでもあろう。

移住定住の促進、あるいは子育て環境の改善と、都会地から地方部へと若い人たちを呼び寄せようとする「地方創生」の活動はどこの県、地方都市でも声高に言われているのだが、自然回帰の声も一部のナチュラリスト志向の人には届いても、このコミックの主人公であるような「都会に勤めてしまったフツーの女の子」に届かないのが、なんとも悲しくもある。

 

まあ、第二巻では、この娘の笑顔のシーンが増えているそうであるから、Kindle Unlimitedで一巻を読んで、第二巻は買ってあげるというのがよろしいかもしれないですね。

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