梶川卓郎/西村ミツル「信長のシェフ 4」(芳文社)

Kindle Unlimitedに1〜3巻がノミネートされていたので、3巻一気にダウンロードして読んだのがキッカケで4巻を購入。まんまとAmazonの手に乗ってしまったというわけであるのだが、1巻でUnlimited対象を止めずに、姉川の合戦の前夜、浅井軍側に、主人公のケンが囚われてしまったところまで対象をひろげる辺りは、きちんと原作を読んでAmazonも設定しているのかと思った次第。

 

さて第4巻は囚われとなった浅井の牢内から脱出して、姉川の合戦、そして合戦後終了後、信長が堺の町へ手を伸ばしていく先鋒として出発する直前まで。

 

まあ、脱出の前ぶりで偏食のきつい「茶々」の食事をつくるところとか、姉川の合戦の潮目が変わった陰にケンのつくった肉料理が、といった、戦国時代に現代のイタリアンかフレンチのシェフがタイムスリップして大活躍っという、タイムスリップものの定番は当然セッティングされているのだが、その仕掛けがうまくいった原因に、浅井と織田の軍の構成の違いや浅井長政が織田信長に叛いた理由の基礎に、「地元(近江)の領地を守る」という土地への拘泥の意識の格差をもってくるあたりは、この漫画が単なるタイムスリップものでは終わらんぞ、という心構えを示しているようで頼もしい限りである。

 

作中で提供される戦国料理の数々や、信長配下の忍び「楓」が忍びになった理由とか、家康とケンとの料理を通じたつながりとか、これから信長の天下布武が進展していくに従って意味がわかっていく伏線の数々とかは現物を読んでいただければと思う次第ではあるが、当方もAmazonの術中に嵌ってしばらくは続巻を買い込みそうな予感である。

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