西村ミツル・梶川卓郎「信長のシェフ 12」(芳文社コミックス)

小谷城が落城し、浅井・朝倉滅亡後、本願寺に送られた後から、翌年の新年までを描いているのが12巻。

 

最初の方は、信長の隠密である「楓」の救出のエピソード。ここでケンは彼の料理の一つのジャンルを封印することになるのだが、それがこれからどう影響してくるかは、乞うご期待というところで、伏線をはったところで終わっている。

 

12巻の読みどころは、香料を手に入れるために堺へ出向き、女性の中国人貿易商と闘茶の席での料理披露と、浅井・朝倉滅亡後の信長の残虐性を象徴する、長政・久政親子と朝倉義景のドクロを肴に新年の酒を酌み交わした事件の信長の本音、といったところ。

信長の意外性を話の底に忍ばせるのが、この「信長のシェフ」の特徴でもあるので、残虐性あふれるエピソードが実は、といったのがお決まりではあるのだが、それを松永久秀の謀反後の処置と絡めて解いてみせたのは、流石、腕がよい調理。

 

物語は、後の細川ガラシャも登場してきて、満艦飾っぽくなってくるのだが、さてこれからどうやってまとまっていきますかな。

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