Windows95開発関係者による、かなり「猛烈な」働き方の提案 — 中島 聡「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」(文響社)

Microsoft本社でWindows95の開発に携わった日本人SEによる「仕事術」の本。

Windowsもすでに10になり、AppleのMacのほうが今風では、といった風潮がある中、デジタルネイティブには及びもつかないであろうが、Windows95が、この世界にもたらしたインパクトは、とんでもないことであったということは記しておこう。

構成は

1 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

2 時間を制する者は、世界を制す

3 「ロケットスタート時間術」はこうしてうm気出されラ

4 今すぐ実践 ロケットスタート時間術

5 ロケットスタート時間術を自分のものにする

6 時間を制する者は、人生を制す

となっていて、中心は「ロケットスタート時間術」なるものは何か、ということであるといっていい。

仕事の仕方が違うだけで、アメリカ人も結構働いています。外国人はしごともせずに遊んでいるわけではありません。彼らが私達と決定的に違っているのは、朝が早いという点です。彼らは朝の7時に会社に来て、夕方の5時や6時に帰るという仕事のスタイル持っています。

会社の企画を任されたときにプロトタイプを創ると全体のイメージが固まります。・・・細かいことはさておき。まず全体像を描いてしまったほうがいいのです。これがつまりプロトタイプです

とか

最初に私が驚いたには、ビル・ゲイツが何らかの説明を社員から聞く時に、直接その社員からは話を聞かないことです。彼は情報をかみくだき。彼にわかりやすく説明してくれる専門の社員を雇っていたのです。

といった風に、アメリカのビジネスマンやビル・ゲイツの意外な姿を教えてくれあたりも参考にはなるのだが、「ロケットスタート時間術」の本質は

指定された期間の2割(この場合は2日間)を見積もりのための調査期間としてもらい、その期間、猛烈に仕事に取り掛かります。・・その間に、「8割方できた」という感覚が得られたなら・・「10日間でやります」と伝えます。

最初の2日間に8割終わらせることを目標にロケットスタートを切ります。私は大体、この期間にソフトウェアの大まかな設計を作り上げます。企画書を書いている人は、この期間に企画書の大枠を書き上げます

時間に余裕があるときにこそ全力疾走で仕事をし、締切が近づいたら流すという働き方

といった風で、求められる期間の2割方のところで仕事のかなりの部分の完成をさせてプロトタイプを完成し、残りの8割で磨き上げをしていくという方法であるようで、本の後の方でのロケットスタート術の並行的な実施というあたりとなると、ワークライフバランスや働き方の面で、うーむ、どうかなという点がないわけではないが、「成し遂げる」という仕事の方法論から見れば、うむ、と頷かせるところ多数である。

まあ、提案どおりにやるとかなり「猛烈」な働きぶりになるので、どこまで付き合うかはそれぞれの価値観次第であろうが、「ファーストトラッカー」的な働きぶりはこうであるか、と仕事術を考える上で、非常に有効なスパイスと認識しておくべきでありましょうな。

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