情報整理や発想のツールはいろいろあれど、「ノート」に拘る人は一番の多数派であって、これはデジタルなガジェットがどれだけ普及しようが、いまだに変わらないように見受けられる。で、そのお勧めされるノートのサイズも、人によって様々ななのだが、中でも最大なのは、この「A3ノート」であろうが、A4はポピュラーではあるが、A3となると「デカすぎる」の一言で片付けられそうにもなりかねない。
構成は
1 なぜA3ノートなのか
2 なぜ「ノート」なのか?PCではダメなのか?
3 書く前に何を知っておくべきか?
4 A3・1枚にあらゆる発想を書き出す
5 A3・1枚をフレーム分割して、発想を整理する
6 A3・1枚で「全体像」を網羅する
7 A3ノート徹底活用術
となっていて、そのあたりを考慮して、なぜA3といあたりから始めないといけないのがまわりくどくはある。
で、その理由は
日本を代表する世界企業のトヨタ自動車では、社内資料はA3で徹底されている
また、大前憲一氏はA2(A4用紙4枚分)という巨大な方眼紙を使って左下から右上に向かって書く(P23)
といったところであって、あまり根拠らしいものは感じられないのだが、当方としては、市販されているものの中では、ノートパッドや用紙ではA3が一番デカイくて入手しやすい、というところであろうと落ち着いた。
内容的には、A3ノートを使った「ノート術」として、その基本は
ノートは、前半(創出、整理)の「主にアイデアを創出したり、整理したり、合意形成を得る段階」で使うとその機能をフルで発揮します(P54)
ということで、
・ゼロから発想する場合の「マインドマップ」 とか、
・「OUT=やらないこと」「IN=やること」にわけるOUT or IN整理法 とか
・「空=事実を把握する」、「雨=事実を見て、解釈する」「傘=その解釈に基いて手段を講じる」といった「空・雨・傘」で3分割する方法
などA3でなければできないものというのはほとんどないように思うのだが、そこは「A3」という大きさのあるノートを使うと「ノートのサイズは思考のサイズ(P29)」ということで、思考と作業のサイズも大きなるから、といったところであるようだ。
さらに筆者のお勧めは、オキナ社の「プロジェクトペーパーA3版」だそうで、書いたノートの管理はクリアファイルなどを使うということであるので、「A3ノート」というよりは「A3ノート(パッド)」といった趣旨で理解しておいたほうがよさそうだ。
ま、ノート術というものは、それぞれの担当している仕事、職種によってベストマッチが異なるよね、というのが当方の自説であるので、A3でないとダメ、といったところはちょっとね、と思わないでもないのだが、アイデア出しであるとか、茫漠とした構想や考えをまとめる。整理するのは、小さな紙や画面では、発想が広がらないし、制約感があるのも間違いない。
企画に携わる場合や、プロジェクト管理を行う場合など、広く大きな構想や茫漠としたものから、具体的なものへ落とし込んでいく仕事をやる場合は、有効な手法であるように思う。
「適材適所」というのはちょっと用法が違うが、仕事によっては試してみてもよいのではないかと思う次第である。
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