本書によれば「行動観察」とは、「観察者が様々なフィールドに入って対象となる人間の行動をつぶさに観察した上で分析し、問題解決法を提案する手法」ということらしい。
構成は
第1章 行動観察とは何か?
第2章 これが行動観察だ
1,ワーキングマザーの隠れた欲望
2,人手にぎわう場のつくり方
3,先頭をもっと気持ちのいい空間に
4,優秀な営業マンはここが違う
5,オフィスの残業を減らせ
6,飲食業を観察する
7,達人の驚異の記憶術に学ぶ
8,工場における生産性向上と品質向上という古くて新しいアプローチ
9,元気の出る書店をつくろう
第3章 行動観察とは科学である
ということで、本書の多くの部分は、依頼をうけた具体的な案件での「行動観察」の実例が示されていて、たとえば「人でにぎわう場のつくり方」の
販売説明員がディスプレイから離れて、通路をはさんで逆側に立つと、お客さんが自由に展示機器にアプローチでき、機器を見ているお客さんは時間当たり5倍に増え、機器の売り上げは3倍になった(P74)
とか「優秀な営業マンはここが違う」の
「声を出しているスタッフのほうが、お客さんとの話に入りやすい」ということである。「いらっさうませ」と声を出し続けていると、お客さんはその声に親しみを持つ。そのため、いざ直接お客さんに話しかけたときも、快く受け入れてもらえる可能性が高い(P137)
といったような気になるエピソードが掲載されているのだが、それとあわせて本書ですくいとっておかなければならないのは、
①必ず現場に行って、人間の行動を観察すること
②根拠のあるソリューションを提案すること
「自分の価値観で観察対象者を批判的な目で見てはいけない」
といった「行動観察」の基本原則であり、
結果について先入観を与えるので「結果がまとまるため、クライアントに安易に途中経過を話さないほうがいい」
普通の人間は他者評価よりも自己評価が高い
といった多くの人間の行動の背後にある共通点であろう。
「人間観察」「行動観察」のデータとして読み込むもよし、それによって導かれる「基本原則」を探すも良しなのであるが、人間のなせる技の分析手法として押さえておいたほうがよいのでしょうね。
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