仕事をしていく上で、欠かせないのがスケジュール管理と仕事の記録というもので、これをうまく管理する方法論の百花繚乱が、「ビジネス本」といっても過言ではないだろう。
で、そのツールも、最近ではパソコン、スマホ、タブレットとデジタル・ガジェットの勢力が強くなってきていたのだが、最近になって、手帳、ノートを推奨する傾向がまた出てきていて、その理由は「手書きの効用」ということであろう。
本書も、そういったアナログ・ツールの再評価という路線にのったものといってよく、
構成も
第1章 手帳の基本
第2章 手帳の実践的な使い方
第3章 メモの基本
第4章 メモの実践的な使い方
第5章 ノートの基本
第6章 ノートの実践的な使い方
第7章 夢や目標を叶えるための記録術
といった形で、デジタル・ツールに関する記述はほとんどない。そのあたりは、
スマホの最大の難点は電話をしながら見られないこと(P29)
画面を出すまでにパスワードを入力するなどの操作が必要(P30)
仕事中にスマホをいじっていると、私用との区別がつきにくく・・・(P30)
といったところに顕著で、”そこまでデジタルを貶めなくてもいいのでは”とデジタル派の当方としては少し不満に感じるところもないではない。
ただまあ、デジタル・アナログ共通の仕事のノウハウ、スケジュール管理や記録のノウハウというものはあって、
ミスをなくすには、予定をできるだけひとつのツールで管理してください(P24)
とか
取引先やお客様を訪問する日付のところに、持っていくものを書き添えておくと忘れものがなくせます(P46)
や
仕事とプライベートは区別せず、むしろ両方書く(P62)
手帳は段取りを整える最善のツールですが、仕事のことばかり書くと、やる気が下がり品質低下やミスにつながります(P62)
注意したいのは、いつでも、なんでもかんでも、付箋をメモがわりに使うこと。付箋に書ききれなかったり、貼ったり剥がしたりするうちになくす心配もあるため、メモ帳を用意してください。(P74)
といったところは、デジ・アナ共通で使える部類であろう。
さらには「一人引継書」のように
研修やセミナーが終わると、その一件書類を綴るバインダーの裏表紙に付箋のメモを貼ります。なぜバインダーの裏表紙かというと、次回同じ仕事を頼まれたとき、必ず見る場所だからです。
付箋には。反省点や改善策・・を具体的に書いておきます。さらに・・うまくいったことも記入します。
(中略)
再度同じ仕事をいただいたときは真っ先に、このメモを確認します。
メモの内容を反映させたら「ひとり引き継ぎ完了」と言って、この付箋は捨ててしまいます。・・・そのかわり、また仕事が終われば、ひとり引き継ぎメモを書きます。(P88)
といったところは、仕事が済んだら、スキャニングして紙書類はほとんど残さない主義の当方も、なんとかとりいれる方法を考えてみたいノウハウもある。
大切なのは、
成功する人は「決して失敗しない人」ではありません。状況が悪くなったことにすぐに反応できるから、成功につながるのです。誰でも失敗します。大切なのは「ミスを速く検知すること」です(P174)
というカルロス・ゴーンの言葉を頭に置きながら、デジタル・アナログを問わず、仕事のメモ(記録)をいかに効率よくとるか、スケジュールのミスをいかになくすか、仕事のモチベーションをいかに高いままで維持できるか、といったことをあれこれと工夫をし続けることが大事なのだろう。
こうしたノウハウ本は、本の内容を即座に真似することも大事だが、そこを超えて自分なりにアレンジすることに楽しみがある。さて、どんな工夫を凝らしましょうかね。
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