エウメネスの大出世が始まりそうな予感がする — 岩明均「ヒストリエ 10」

買うには買ったが、積ん読状態が続いていた「ヒストリエ」の10巻。リアル本であれば、ふと手にとって読み始めるということがあるのだが、Kindle本は、そのあたりが、こちら側のアクションにかかっているあたりが、積ん読が増える所以でもあろうか。

さて、10巻は9巻のカイロネイアの戦闘の決着と、戦闘終了後、マケドニア本国での、エウメネスの良家のお嬢さんとの恋愛の行方とエウメネスがマケドニア王国の重鎮としてのし上がる「王の左腕」になるのでは、といた状況でのあれこれ、というところ。

まあ、筋立てのほどは現物で楽しんでほしいのだが、読みどころは、アレクサンドロス王子(後のアレクサンダー大王だね)の武勇と奇矯さと、普通なら「◯◯の右腕となるところが、なぜにマケドニア(ひょっとすると古代ギリシア共通の話なのか?)では「左腕」なのか、といったところか。

最近、除目からはずれたせいで、沈みがちになってしまうのであるが、こうした、今の日本とはほとんど関係ない、古代ギリシアの物語を読むというのも、そうした気分からいっとき逃してくれる効果がある。難しいことはいわず、うかうかと古代マケドニアの雰囲気に浸ってみるのもよいものであるな。

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