「知的作業」の要点は「紙一枚」にあり — 高橋政史「すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術」(クロスメディア・パブリッシング)

「仕事、勉強、プライベートの趣味や日常生活、整理をしないといけない場面はどこにでも存在しています。
本書では、そうしたいろいろな意味での整理を、すべて紙1枚でできるようになる。その方法を紹介しています」
という、結構タカピーな宣言で始まっているのが本書。
ただ、頭の中を整理する、仕事で提案することを整理する、会議の内容を整理するといった「仕事上の整理案件」はビジネスの要であるともに、永遠の「課題」でもあるので、書き出しのキャッチ力は非常に高いのは間違いない。
構成は
第0章 紙1枚で整理するとはどういうことなのか
第1章 思考力・仮設力を磨き上げるSの付箋
第2章 インプット・アウトプットの効率を劇的に高める16分割メモ
第3章 本を一冊15分で読むキラー・リーディング
第4章 いらないものをシンプルに捨てる1枚引き継ぎマップ
第5章 会議時間を半分にするマッピング・コミュニケーション
第6章 言いたいことが誰にでも伝わる3つの型と1・2・3マップ
第7章 どんな相手も納得させる物語プレゼンテーション

 

となっていて、1章ごとにメソッドが提案されるので、1〜7章で、7つの手法が示されるとともに、それに使用する紙1枚の「フォーマット」(「図」化されてます。)が提案されるので、1冊で一提案みたいなビジネス・ハウツー本が結構ある中で、おトクといえばおトク。

いちいち紹介していると完全に営業妨害になるので、当方が本書を購入する際に一番に気になって購入を決めた「キラー・リーディング」の手法を少し紹介すると(「フォーマット」は原書で確認してくださいね)
ステップ1>著者に何を聞きたいか、その本で何を得たいか、という「問い」を決める
ステップ2>目次や本文をザーッとめくりながらきーわーどとなる言葉を探す。キーワードは1つあたり20秒ぐらいのペースで抽出するが、数は16個まで。
ステップ3>本文を、設定した問いとキーワードに引っかかる箇所を探すように読む。読む時間はおおよそ10分間ぐらい。引っかかった箇所を例えば、付箋を貼るとか、アンダーラインを引くとかのアドバイスはないので、ここは応用範囲なのであろうが、10分間という時間を考えると手間のかかることはムリであろう。せいぜいページ数をメモするか、印をつけておくぐらいであろうか。
このステップの仕上げとして、16のキーワードの中から特に重要と思われるキーワードを選ぶ。
ステップ4>問いへの答えを1つのメッセージにまとめる。本書によれば
「こんな「問い」の切り口でこの本からそのエッセンスを結晶化すると、要はこのひと言」という具合です。
とのこと。
この方式であると、当然「問い」によって切り口が異なってくるから、その人のその時なりの読み方になってはしまうが、もともとビジネス書のどこが参考になると思うかはごく個人的な事柄なので致し方ないところであろう。
残りの6つの手法は、原書でぜひ確認をしてほしいのだが、いずれもかなり具体的な処方箋が示されているのは間違いない。どう使うかは「読み手」次第、というところでありましょうかね。

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