「一日」を分で計算してマネジメントする — ケビン・クルーズ「1440分の使い方」

「1440分」とは1日を「分」で表示したもの。確かにこれぐらいの数字で見ると、多いようで少ない、微妙な分量感を覚えるから不思議だ。
本書は、その「1440分」の時間管理術ではあるのだが、アメリカの時間管理本らしく、成功者へのインタビューから導き出すのが特徴。
構成は
超多忙だったあの日、ニュージャージーの高速道路で
1 1440分の威力
2 適切な優先順位の重要性
3 To Do リストをやめる
4 先延ばし癖を克服する
5 罪悪感なく5時の退社する方法
6 成功者たちのノート術
7 3210メール術
8 グーグル、アップル、ヴァージンの会議術
9 大成功へと導く小さな一言
10 強力なパレートの法則
11 ハーバードの3つの質問
12 テーマのある毎日
13 「一度しか触らない」ルール
14 朝を変えて。人生を変える
15 すべてはエネルギー次第
16 すべてをまとめたE-3C方式
17 まだまだある
18 7人のビリオネアに学ぶ時間管理の秘訣
19 13人のオリンピック選手に学ぶ時間管理の秘訣
20 29人のオールAの学生に学ぶ時間管理の秘訣
21 239人の起業家に学ぶ次巻管理の秘訣
付録1 あなたの時間管理の特性診断
付録2 次巻管理の名言ベスト110
「#1440」を広めよう
となっていて、「パレートの法則」「朝の活用」とか類書でも見かける項目はあるのだが、
大成功を収めた人たちは、ToDoリストの項目を減らそうと四六時中躍起になったりしない。むしろ、優先順位や、各々のタスクにかける時間について熟考したら、それでよしとするのだ。
重要なことはすべて、やる時間を決め、スケジュール表に入れておく  この手法は「タイムブロッキング」もしくは「タイムボクシング」と呼ばれてている。
という「To Do リストをやめる」の項目や
このような働き方をするためには、しっかり自制し、地道な練習を重ねるしかない。私には、一日のテーマを決めるのが効果的だった。

起業家コーチとして高名なダン・サリバンは、以下の3種類の日を組み合わせて1週間を構成するよう提案している。 ・集中日:いわゆる「勝負の日」で、自分にとって最重要の活動(主に収益性のある活動)を行う日。できれば自分ならではの才能を活かすべき日でもある。したがって、この日には一番得意なことをやろう。 ・予備日:たまったメールや電話への対応、社内会議、仕事の委託、書類仕事をやる日。 ・休日:仕事を一切しない日。私は曜日ごとのテーマを決めるだけでなく、各月の最終金曜日はランチやお茶の約束を入れる日と決めている。

という「一日のテーマを決める」といったところは斬新で、「ToDoリスト」万能を訴える時間管理本の反論でもある。
とはいっても
ノートを取るなら、ノートパソコンやタブレット、スマートフォンよりも、紙ベースのきちんと綴じられたノートを使ったほうがいい。
のように、「アナログ」の重要性を訴えるあたりは日本のものとの共通項も多く、時間管理であれこれと議論が動くのは、日本もアメリカも共通のようであるし、
一点集中とは「ノー」ということだ
 
といったところは、いかにもアメリカ的という印象を受けるが小気味いい。
さて、時間管理は、こうした技術的な知識を豊富に入手するのと同時に、自分にはどういうものが合っているのかを試してみるのが大事なもの。今回は、どれを試してみますかね。

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