読書家による「書店LOVE」の熱いアピール — 斎藤 孝「10分あれば書店に行きなさい」(メディアファクトリー新書)

知的活動のあらゆる分野で発信されている、斎藤孝先生の「書店LOVE」の本。
 
大学生協の調査で、1日の読書時間「0」の大学生が2017年、はじめて5割を超えたという報道が、つい先日されたばかりなので、
 
基本的に本書の提案はたった一つ「1日最低10分、必ず書店へ行こう」(P21)
 
という本書の提案は、なかなかに普及は難しいような気がするが、全般的な読書時間の低下や電子書籍の影響で、書店も減り、「書店に行く」という機会が以前に比べて激減しているのは間違いない。
 
構成は
 
序章 書店の潜在能力を、あなたは知らない
第1章 書店で知性と精神力を磨け
第2章 書店はアイデアの宝庫
第3章 コーナー別・書店の歩き方
第4章 書店をもっと使い倒す「裏技」
第5章 「心のオアシス」としての書店
第6章 本への投資を惜しんではいけない
第7章 分水嶺の時代
 
となっていて、第1章から第6章までは、「書店」の効用のあの手この手のアピール、といったところなのだが、当方的には、
 
ポイントは「何かネタを仕入れよう」という気持ちで本を読むこと。そしてそのために、常に「引用」を念頭におくこと
 
とか、
 
本を買ったら、ただちに近くの喫茶店に飛び込み「本のさばき」を始める。その「本のさばき方」とは
 
・最初の頁から順番に読む発想を捨てる。そして1冊につきせいぜい10〜15分で終わらせること。それには、気になる部分だけピックアップして読めばいいのである。
 
・まず目次を見て、気になる項目をチェックする。10分から15分しかないと仮定すれば、読める項目はせいぜい2〜3個であろう。
 
その上で、3色ボールペンの活用を推奨したい。チェックした項目を読んで、基礎知識として重要と思われる部分を「青」、最重要と思われる部分を「赤」、個人的に面白いと思う部分を「緑」でそれぞれ線を引くなり囲むなりするのである、」さらに頁の角を折っておけば、後で見返す際にも便利だ。
 
といった方法論のところが興味深い。
 
まあ、15分で新書一冊を「さばいてしまう」といった読み方は、まだ体得できていないが、本からいかに速く情報を仕入れるかといった点で参考になる話。
 
本を全く読まない層は増えているかもしれないが、まだまだ「読者層」と呼ばれる塊は健在であると信じている。新刊や気になる本をチェックするためだけではなくて、たまには、自分の知的活動を広げるトレーニングとして書店に行ってみますかね。
(ただ、地方都市は郊外型の書店が大半になってきたので、ちょっと勤め帰りに、というわけにいかないのが難点でありますね)
 

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