2018-03

ビジネス

『会社は自分の乗る「舟」の一つ』と割り切ったら「会社人間」も気が軽くなる — 江上 剛「会社という病」(講談社+α文庫)

当方も昔ながらの「会社人間」、悪口で言うと「社畜」の部類なのだが、定年が近くなると、出世の限界も見えてくるし、それにあわせて、「会社」への精神的な立ち位置も、少々「醒めて」きている。 そんな気分の時に、自分と会社の関係を、ちょっと俯瞰した、...
ワークスタイル

若い「疾走者」、そして良き「伴走者」の”声援”を聞いておこう — はあちゅう『「自分」を「仕事にする生き方』(幻冬舎)

Amazonのレビューを見ると、賛否それぞれにあって、ああ前を行く「疾走者」は、走っていく快感もあるが、向かってくる風も強いのだろうな、と、彼女への風の強さを想像してしまう。ただ、そうした逆風があっても、前へ走っていく筆者の様子は、「スゴイ...
ワークスタイル

カメラマンもビジネスマンも「マメさ」と「現場の肌感覚」が大事 — 渡部陽一「戦場カメラマンの仕事術」(光文社新書)

その独特の喋り方と、戦場を駆け巡ってきたカメラマンとしての実績が、どうにもマッチしないことがかえって人気がでた原因でもあった、戦場カメラマン・渡部陽一氏の本。表題には「仕事術」とあるが、むしろ戦場の現場に入るスタンスといった気持ちでとらえた...
西條奈加

江戸の下町風味の庶民的ピカレスク・ロマン — 西條奈加「善人長屋」(新潮文庫)

騙りや情報屋、あるいは盗品故買といった裏稼業をもちながら、表面的には、「善人」として暮らしている輩が集まった長屋に、裏稼業のない「指物師」の加助という男が引っ越してくる。さて、何が起きるか・・・・。といった設定で始まるのが本書。 収録は 善...
ブックレビュー

シルバー世代が持つ隠された力とは — 寺島実郎「シルバー・デモクラシー 戦後世代の覚悟と責任」(岩波新書)

日本のベビーブーム世代(団塊の世代)とは1947年〜1949年に生まれた層で、この期間の出生数は合計すると800万人を超えるらしい。この団塊の世代も今は70代にさしかかろうとしているわけだが、本書は、この団塊の世代を先頭に昭和20年代の終わ...
ワークスタイル

企業社会を信じて犠牲になった人のことを忘れてはいけない — ルポ「過労社会」ー8時間労働は岩盤規制か(ちくま新書)

働き方改革法案が、裁量労働制についての調査データの問題で右往左往したのもつい最近のことであるのだが、本書は2015年8月の初版。2014年あたりから加速し始めた残業の縮減、それをてこにした裁量労働制の議論のはじまりのあたりのレポートである。...
上田秀人

将軍没後も前田家に降りかかる大老の謀略 — 上田秀人「百万石の留守居役 4 遺臣」(講談社文庫)

第1巻・第2巻では、将軍の後継ぎになるよう大老から持ちかけられ、それを首尾よく断ったと思ったら、第3巻で四代将軍・家綱が死去し、と加賀・前田家に降り掛かってくる揉め事は尽きない。それにあわせて、新米留守居役・瀬能数馬も右往左往させられる。 ...
仕事術

モチベーションの源泉は「報酬」か「満足感」か — ダニエル・ピンク「モチベーション3.0」(講談社)

ダニエル・ピンク氏の論述は「フリーエージェント社会の到来」など時代の一歩先のあたりの動きを論じてくるのが特徴で、すぐさまの利益にはならないかもしれないが、近い将来にブレイクするネタとしておさえておきたいもの。   本書の構成は   第1部 ...
観光・地域活性化

「夜の歓楽街」は、その「悪役性」を払拭できるか — 木曽 崇「「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトエコノミー」(光文社新書)

「夜の歓楽街」は、古から男たちの憩いと夢の場所でありながら、律法や道徳の守護者からは、いかがわしい悪所として非難の場所となってきたもの。本書は、国際カジノ研究所所長の手による、「ナイト・エコノミー」の振興に関する提案といったもの。2017年...
LifeHacks

染み付いた習慣を変えるにはどうしたらよいか — 島宗 理「使える行動分析学ーじぶん実験のすすめ」(ちくま新書)

一番わかっているようで、一番わからないのが「自分」というもので、何か目標をたてても三日坊主に終わったり、なんであんなことしたんだろうと自分でも思わぬ行動に出たりとか、自己嫌悪に陥ったりするのは他人事ではない。   本書の構成は   第1章 ...