涼子サマ、パリで仇敵の美女+女性錬金術師と対決 — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 巴里・妖都変」(マガジンZKC)

「摩天楼」「東京ナイトメア」に続いての、「怪奇事件簿」シリーズのコミック版の三作目は「巴里・妖都変」ということで、海外雄飛(かなり表現が古いな)。
海外出張の理由は、涼子サマが、パリ第二大学での犯罪学の実践講座に招かれたという次第。調べてみると、パリ大学ってのは13個の大学の総称であるらしい。
まあ、パリ派遣は、ある意味、警視庁の厄介払いでもあるのだろうが、読者としては、「パリ」、「妖都」といったところで、期待が増すというもの。
事件の方は、ド・ゴール空港で、子鬼を連れた老人が変死するところからスタート。まあ、このあたりから、今作はゴブリンとか西洋の怪物がご登場かな、と思わせる設定である。で、今回の敵対相手は、アルゴという情報通信とPCのグローバル企業のヨーロッパ総支配人で、フランス大統領の愛人でもある藤城奈澄という美女とアルゴに飼いならされている政権政党の代議士と日本大使館の職員、という典型的設定。さらには、MITで教授職を勤めながらネオナチ思想に染まった科学者とか、結構なキャストではありますな。
ただ、このシリーズの醍醐味は、涼子サマが、悪役たちをとことんいたぶるところとあわせて、どんな怪物が登場するかな、といったところであるのだが、「巴里」というヨーロッパ屈指の都らしく、錬金術ばりばりのしろものであるので、まあ本編でお愉しみあれ。
 
今回は、これからのシリーズ展開で、お涼サマのとても強い従者役を努めるリュシエンヌと、マリアンヌが登場。どちらも可愛らしいメイド姿なのであるますが、侮れない存在でありますよ。
 

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