劫を経た「毒蜘蛛」も涼子サマには敵わない — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 黒蜘蛛島」(マガジンZKC)

コミック版「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズの第5話である。
今回の舞台は、カナダ・バンクーバー。この近くの森で、在留の日本人男女二人が殺されているところからスタートする。
地元の総領事館がカナダ警察の捜査を拒否するので、我らがお涼サマにこの事件の捜査がまわってくるわけだが、彼女が、有名映画監督・グレゴリー・キャノン二世の別荘「黒蜘蛛島」に招待されるところから、単純な殺人事件に終わらない、今回の話が本格スタート。
この島、昔大きな黒いクモが生息していて人間の体液を吸っていたということから名付けられていて、今回の「怪奇」は、皆様の推察どおり「巨大な黒いクモ」。その怪物が、なぜか知らぬが、涼子サマ一行を襲ってくる。それに加えて、日本の警察官の格闘技大会で賭博・八百長をして懲戒免職された警察官3人連れも登場して、そいつらが、涼子サマのライバル・室町由紀子に恨みを抱いている・・といった設定。
事件の謎を解く鍵は、グレゴリー・キャノン二世の祖父、グレゴリー・キャノン一世がつくった「怪奇クモ女」というC級ホラー映画と「ドミニク・H・ユキノ」というグレゴリー・キャノン二世の秘書の女性。
「クモ女」「女性秘書」なんてところから、推察の良い読者には、ネタバレっぽくなってしまうのだが、ネタが薄々分かっても、涼子サマの黒クモとのアクションシーンは十分堪能できますので、ご安心を。

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