2018-04

佐々木裕一

公家にはなつかぬ坂東武者の末裔を、どう心服させるか — 佐々木裕一「公家武者 松平信平 12 領地の乱」(二見時代小説文庫)

都の騒乱を鎮め、江戸に帰還し、領地の加増を受けた信平が、その領地を受け取るまでに起きる江戸の事件の解決と、賜った領地での大騒動がこの巻。 構成は 第一話 あくび大名 第二話 晴天の鳥 第三話 堅物と坂東武者 第四話 領地の乱 となっていて、...
ビジネス

いわゆる「ギョーカイ」のタコツボ化を壊せるか — 山口啓一「10人に小さな発見を与えれば1000万人が動き出す」(ローソンHMWエンタテイメント)

筆者は音楽プロデュースを中心に、様々な分野のエンターテインメント分野のプロデュースにも関わっているのだが、音楽を含め、いわゆる「ギョーカイ」化して、蛸壺的な様相を示している分野について、乱暴なところもあるが、その蛸壺を壊す処方箋を提案してみ...
アート

「アート」を「贅沢品」と考えているうちに、日本の文化的優位性は下がっているのかも — か宮津大輔「現代アート経済学」(光文社新書)

「アート」「芸術」といえば、なにかしらハイソサエティで、高尚で、どちらかといえば「贅沢品」という印象が強い。そのため、財政が厳しくなると、真っ先に切り込まれるものの代表格であるのだが、そうした「アート観」を揺さぶってくるのが本書。   構成...
和田はつ子

三件の殺人事件の共通鍵は「桐生紬」なのだが・・ — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 18 冬うどん」(時代小説文庫)

今巻の季節は冬。師走近くの、小雪のちらつく頃である。この季節、今でも外回りが続くと、昼時には何か温かいもの、しかも汁気のあるものが欲しくなるものだが、江戸の頃も気分は同じ。そうした商人たちに温かい昼飯を提供しようと、季蔵が思いつくあたりから...
佐々木裕一

久々に江戸に帰っての、信平の活躍はどうだ — 佐々木裕一「公家武者 松平信平 11 乱れ坊主」(二見時代小説文庫)

京の都で、幕府に叛旗を翻そうとする陰謀を阻止した信平のその後の京、そして江戸帰還後の活躍を描くのが本巻。 構成は 第一話 林檎の香り 第二話 乱れ坊主 第三話 狙われた友 第四話 死闘!鳳凰の舞 となっていて、第一話は京都、第二話以降は江戸...
ワークスタイル

セブン・イレブンやローソンの無人化の試みは、「働き方」に何をもたらすのだろうか

Japan C-netで「店内ならどこでも決済できる「ローソンスマホペイ」・・深夜帯のレジ無人化の実験も」、TABILABOで「セブンーイレブンが「無人コンビニ化」に乗り出す」、とあいついでコンビニに無人化の記事がエントリーされている。  ...
佐々木裕一

都の騒乱の根っこには江戸幕府の朝廷圧迫の歴史がある — 佐々木裕一「公家武者 松平信平 10 宮中の華」(二見時代小説文庫)

前巻で、将軍御台所の暗殺の謀みから、実の姉の御台所を救った、信平であったが、その原因となっている都の騒動を鎮めるために、京へ出向くのが今巻。構成は   第一話 上洛の道 第二話 大井川の老馬 第三話 陰謀 第四話 やぶれ笠の鬼 第五話 宮中...
上田秀人

江戸・加賀両方で、騒ぎは大きくなる一方 — 上原秀人「百万石の留守居役 9 因果」(講談社文庫)

お国入りで越前・加賀入りした前田綱紀、瀬野数馬にふりかかる出来事と、前田・堀田が手を握った後に、元加賀藩留守居役・小沢兵衛の悪運が尽きたあたりについての話が、この巻。 構成は 第1章 両家の都合 第2章 守りの手 第3章 お国入り 第4章 ...
上田秀人

数馬、参勤交代で頭角を現すか — 上原秀人「百万石の留守居役 8 参勤」(講談社文庫)

江戸であれこれしくじりをしながら、留守居役修行をしていた瀬野数馬であるが、今回は、2年に一度の参勤交代のお国入りの参勤留守居役を命じられる。その参勤交代前から金沢間近の富山藩にはいるまで。 構成は 第1章 江戸と国元 第2章 交渉万変 第3...
上田秀人

継室探しは、加賀前田家を騒動に巻き込んでゆく。それにつられて数馬も・・ — 上田秀人「百万石の留守居役 7 貸借(かしかり)」(講談社文庫)

会津から無事、というか、怪我の功名の「おまけ」まで獲得して江戸へ帰参した数馬であるのだが、その「おまけ」を巡っての会津藩江戸屋敷との悶着に始まり、綱紀の継室探しが、いろんなことを呼び込んでくるのが本巻。 構成は、 第1章 五分と五分 第2章...