中高年世代ほど「レバレッジ」を利かせた人生が必要かもしれない — 本田直之「レバレッジ・シンキング」(東洋経済新報社)

ビジネス・ノウハウの世界で「レバレッジをきかす」という言葉が、流行語のようになった時があったのだが、どうかすると「最小の努力で最大の効果」が「ほろんど努力しないで成果は最大」といった趣旨で語られることが多かったように思う。そのせいか、最近「レバレッジ」という言葉が使われることが少なくなったように思うのだが、著者のいう「レバリッジ」とは、けして、「濡れ手で粟」といったことを言っているんじゃない、と当方的に思うので、ここらで「レバリッジ」を再読して再評価しておきたい。
 
本書の構成は
 
第1章 常にレバリッジを意識せよ
第2章 労力のレバレッジ
第3章 時間のレバレッジ
第4章 知識のレバレッジ
第5章 人脈のレバレッジ
 
となっているのだが、最初の「濡れ手で・・」的な誤解を産んだのは
 
レバレッジ・シンキングでは、「労力・時間1に対して成果は無限大」にまで高めることが可能になります。そして、さらに不労所得的なリターンを得ることができ、労働時間や労力が半分になっても、収入が倍になるといったことが可能になるの
 
といったところが原因なのであろうが、筆者の言いたいのは
 
一つは、少ない労力がいいというと、楽をすることだけを考えてしまう人がいるということです。 DMWL(”Doing more with less”(少ない労力と時間で大きな成果を獲得する。)は手を抜くとか、単純に楽をすることではありません
 
 
時間で一の成果を上げられるようになったら、八時間仕事をすれば八倍の成果が上がります。そう考えてほしい
 
と行った所で明らかで、けして「手抜き」のススメではない。
 
むしろ、「労力のレバレッジ」での
 
労力のレバレッジでは、一つの物事をするときに、同時に何かできないかを考えます。それが二毛作という考え方
 
であったり、「時間のレバレッジ」の
 
時間もそれと同じです。 時間割をつくってブロックして、自己投資の時間を決めてしまえば、残った時間で仕事をしようという発想になります。わたしの場合、朝の二時間は本を読むという自己投資の時間にあてているので、確実に本を読めます
 
 
先に自由時間をつくることに専念せず、まずは投資をすることが時間を生み出すコツなのです。投資して時間資産ができたところで、不労所得的に時間を生み出してくれます
 
であったり、「知識のレバレッジ」で、一日一冊以上のビジネス書を読むことを自分に課し、できるだけたくさんの本を効率よく読み、多くの人の成功のプリセスを吸収することが必要だとした上で
 
読み終わったら、線を引いたり、印をつけた部分をパソコンに入力します。ワープロソフトで体裁を整える必要などありません。私はいつもプレーンテキストです。  それをA4判サイズのコピー用紙にプリントアウトします。このメモはさまざまな本の中で、自分の問題解決につながる重要ポイントを集めた「究極の本」となります。  私はそれを「レバレッジ・メモ」と呼んでいます。
(中略)
このメモを常に持ち歩き、電車がホームに入ってくるのを待つ間、タクシーに乗っている間、アポイントの相手が現れるまでの時間など、ちょっとした時間にパラパラめくって眺めています。そうして内容を頭に焼きつけ、実践して自分の身につけていきます
(中略)
大事なのは、本から得たノウハウをレバレッジ・メモにまとめ、繰り返し読んで条件反射的に行動できるようにし、実践でどんどん活用していくこと
 
といった風に、人頼みでなく、自らの力で、効果が拡大してくことを考え、実戦していくことが、「レバレッジ」の思考・行動の基本であるように思う。
 
まあ、見方によれば、「ハードワーク」のすすめでもあるのだが、彼の考え方の基礎には、「自らが」ということがキーになっていて
 
投資とは、何かを事前に差し出すことによってリターンを得ることです。本書ですすめる自己投資は、日々仕事に追われる生活の中で、いったん立ち止まって自分自身に懸けてみるのです。
 
というように、とかく現実の惰性の中で埋没してしまう「自分のやりたいこと」への新たな自己投資の勧めでもあるようだ。
人生100年時代と言われる今、若い人だでなく、当方のような中高年世代も、いま一度、自分の夢に立ち返って、「レバレッジを利かせて」何かに取り組むべきなのかもしれんですね。
 

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