「おき玖」ちゃんも、ようやく幸せになれそうですな — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 27 あんず花菓子」(時代小説文庫)

巻を重ねてきた、このシリーズなのだが、今巻でひとまず第一シリーズが完結。
 
収録は
 
第一話 高輪御膳
第二話 名残り魚
第三話 あんず花菓子
第四話 彼岸鮨
 
となっていて、まずは、日本橋の米問屋・加嶋屋が、俳諧仲間の会合で、塩梅屋に「鯛つくし」の料理を依頼してくるところから始まる。この俳諧仲間というのが食通の集まりで、瓦版でも取り上げられる、ちょっと小うるさい存在。しょうがなく依頼を受けた季蔵なのだが、その宴会の席に浪人者が押し入り、彼らや季蔵を人質にとり「二日前の塗り物問屋・野沢屋に届いた文箱を差し出すこと」「二十年前の、迷宮知り事件の下手人を差し出すこと」といった奇妙な要望を出す。
この要望を奉行所が対応しているうちに、俳諧仲間の一人で、早出し青物の卸元・青田庵のおはるが乱暴されたりするのだが、浪人たちの出した条件の「二十年前の迷宮入り事件」に、おき玖が関係いそうで・・、といったのが第一話。
 
第二話の「名残り魚」は、救出後、静養中のおき玖の留守中に、季蔵が「黒鯛」の料理の考案をするかたわら、第一話の事件の裏をあれこれと推理するもの。気になるのは「黒鯛(チヌ)」料理で、残念ながら、季蔵の考案するものより、長次郎の料理日記に記録された、「さつま」という
 
チヌの身をすり鉢でよく当たり、木杓子にうけて軽くこbげ目をつけた味噌を加え、冷ました出汁で少しづつ伸ばす。
炊きたての飯にこれをかけて小口切りの葱、すり胡麻をのせる
 
という料理の方が魅力的。
 
第三話は、第一話で不幸な目にあった青田庵のおはるへの見舞いに、あんずを使った菓子を考案するとことからスタート。この青田庵が扱っている「あんず」の仕入元の藩で、どうやら御公儀へ上訴するほどの圧政が行われている気配がある。これに絡んで、第一話の俳諧仲間の一人の結城屋や、前述の青田庵におはるの殺人事件や老人ばかり殺される連続殺人の謎をとくのが第四話という展開。
 
ここで、第一話の「二十年前の迷宮入り事件の下手人を差し出せ」という要求の裏の理由がわかるのだが、これはちょっと難癖っぽいな。
 
さて、第一シリーズ完結ということなのだが、あまりネタバレしてもよくない。「完結」のわけは、おき玖ちゃんの目出度い出来事、とだけ言っておこう。おき玖ちゃんは、シリーズの最初の方で、幼馴染との恋が散った経験があるので、まあよかった、よかったですな。
 

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