リモートワークでも2メートル以内のコミュニケーションの重要性

ASCII.JPで「組織を腐らせる「ダメリモートワーク」」と題して、プラネットウェイ社のリモートワークでの失敗と公然方法がリモートされている。

要点は

・社員はお互い一度も会ったことのない人がほとんどで、リモートワークが中心。

・こういう組織で、会社の方針を理解させないまま、外注と同じ感覚で人を雇っていくと組織が腐っていく

・このため、社員全員を勤務地とは違う国につれていき、会社のビジョンを共有させる1週間程度かかる研修を、1000万規模の予算をかけて行っている。

というもの。

リモートワークが中心の会社で、フェイス・トゥ・フェイスで社のビジョンを検討・確認し合う研修の効用が言われるのも面白いのだが、これは、「強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」」でも

リモートワークをしていると、気づかないうちに孤独に陥っていることが多い。表面的には、たくさんの人と一緒にいるような気がするからだ。

メールはどんどんやってくるし、同僚とはチャットで雑談ができる。ネット上ではさまざまな議論が白熱している。でも、それらはやはり、バーチャルだ。本当に人とふれあうことの代わりにはならない

というくだりがあって、人と人とが直に接する機会というものは、「ヒト」が集団生活を営む生物である以上必然的に必要となるものであるようだ。さらに、この「接する機会」というものは、プラネットウェイ社の例をみれば、単に距離的に近くいるということではなく、心理的に「近くいる」ということが必要のようだ。

そして、これはオフィスワークでも共通するようで、ちょうど今、読んでいる「鉄客商売 JR九州大躍進の極意」でも、国鉄バスの労務環境を改善したコツとして「二メートル以内で語り合うとその人の本質が伝わってくる」というところがある。これは、筆者が旧国鉄時代に労使対立の厳しい国鉄バスの職場で、朝の挨拶を繰り返すことで、拒絶されていた職場に受け入れられるようになった経験を披瀝したものなのだが、やはり、近い距離でコミュニケーションをとろうと何度も試みたことが、対立の厳しい「荒んだ職場」で人間関係を構築できた要因であるようだ。

勢力が拡大していくにつれ、自然と戦闘の範囲や守るべき範囲が拡大していって、物理的に会う機会が減っていき、その結果、段々と気持ちや意思が離れていき、ついには分断してしまった例は歴史上数限りない。かといって、一箇所にまとまって勤務していては、情報が偏って大企業病に陥る例もまた、枚挙に暇ない。

「オフィスワーク」でも「リモートワーク」でも、いかに「2メートルの範囲」で意思疎通をする状況をつくることができるか。そこがコミュニケーションをよくして、靭やかで強靭な組織をつくるコツの一つであるように思いますね。

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