会社組織は身軽が一番。大きくある必要はない — ジェイソン・フリード&デイヴィッド・ハイネマン・ハンソン「小さなチーム、大きな仕事」(早川書房)

「強いチームはオフィスを捨てる」で、リモートワークについて熱く煽ってくれた、ジェイソン・フリードとデイヴィッド・ハイネマン・ハンソンによる「働き方」と「会社」についての、刺激的な著述。
最初に「ほう」と思うのは
僕たちの文化は仕事依存症を称賛している。僕たちは徹夜で働く人たちの話を聞く。彼らは徹夜して、オフィスで寝る。プロジェクトのために自分を死地に追い込むのは名誉の勲章だと思っている。どんな仕事でも多すぎたりしない。 こうした仕事依存症は不必要なだけでなく、バカげている。たくさん働くことは、よりよいケアができることや、たくさん達成できることを意味しない。
というところで、アメリカのスタートアップといえば、とにかくよく働くことが存在証明であるような気がしていたのだが、スタートアップの巣窟ともいえるITベンチャから、こうした提言がでてくるのは面白い。
さらには、あらためて
身軽であるというアイディアを受け入れよう。今このとき、あなたは最も小さく、最も無駄がなく、最も速い。ここからだんだん鈍重になっていく。そして物事が身軽ではなくなるにつれ、方向を変えるのにより大きなエネルギーが必要になる。ビジネスの世界でも、物理の世界とおなじだ。
と「小さな組織」の有利さが主張されているのは、いわゆる「大企業」「大組織」信仰というのは、日本の専売特許ではないのか、とも思いますな。
そして、
スタートアップは、避けられないこと(すなわち彼らのビジネスが成長して利益を上げ、本物の持続可能なビジネスにならなければならないこと)をできるだけ後回しにしようとする人々によって経営されている。  ビジネスに対して「利益を上げる方法は将来見つける」なんて態度をとる人は話にならない
だからスタートアップというアイディアに頼ってはいけない。そのかわり、本物のビジネスを始めよう
といったところには、オーソドクスな「企業論」を見るようで、アメリカの主流は「スタートアップありき」と思っていた当方の認識を、少し揺さぶられる。
もちろん
近くに住んでいないからといって、理想の人材を雇わないのはバカげている。技術も発達して、オンラインで人をまとめるのがはるかに簡単になった現代では特にそう
といった「リモートワーク」礼賛は、「強いチームは・・」と主張は変わらないので、ご安心を。
なんとなく、「事業の立ち上げはスタートアップ」や「成長した企業は売却」などといったのが、アメリカのIT企業の経営者全ての考えと思っていたのだが、リモートワークとか先端の働き方の姿と企業経営とを重ねてはいけないようだ。大筋は、かちっとりした経営論の本ではないので、まとまりは薄いイメージの本なので、ベンチャー企業経営者による経営論のTipsとして、肩肘はらずに読めばよいと思いますね。
 

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