超簡単なロジカルシンキング的会話術のおすすめ本 ー 「まんがでわかる 必ず伝わるロジカル会話術」

「ロジカル・シンキング」というと気の利いたビジネスの基礎みたいな扱いで、企業とか自治体の研修コースでも人気あるいは定番のコースといっていいのだが、研修を受けてもなんか実践では仕えない、なんとなく借り物知識みたいで上滑りする、といった意識を持っているビジネスマンは多いと思う。

それは、勉強した手法やキーワードを「言葉」だけで理解しようとしているところに根本の原因があるといっていい。そんな悩めるビジネスマンにオススメなのが、船川淳志監修の本書「まんがでわかる 必ず伝わるロジカル会話術」(双葉社)で、ある。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 ロジカル・シンキングからロジカル・ダイアローグへ
第2章 大工と話す時は大工の言葉で
 ー伝える技術をつけよう
第3章 分けるは分かる、論理+感情=納得の公式
 ー相手を説得する技術
第4章 聞き上手は相づち上手
 ー相手の心を開き、情報を引き出す聞く技術
第5章 詭弁に負けるな!
 ー議論を混乱させず、問題解決を導く
第6章 無知を恐れず、未知を楽しもう!
 ー思考のアルゴリズム「口ぐせ」を活用しよう

となっていて、ファミレスチェーンの営業部に勤務するキャリアウーマンの「三上さつき」が売上げの落ち込んでいる「デリシャス三葉町店」業績をなんとか上向きにして、閉店の危機から救おう、ということで、海外をふらふらしている父親が残していったノート「ロジカル会話術」と父親からの時折のアドバイスをもとに奮闘していくのであった・・・、という筋立て。

展開的には、
①さつきが、三葉店のスタッフの抵抗を乗り越えて仲間に
②改善のアイデアを地域の昔の常連や店に来ていなかった人からもらう
③社内の反対派に立ち向かう
④ショッピングセンター進出という逆境を逆手にとって、店の繁盛から商店街の繁盛へ
という、サクセスストーリーはきちんと守られているので、マンガを読みながら理論も学べる、というビジネスマンガの王道は踏まえてありますね。

そして例えば「ロジカルシンキング」の基礎である「MECE」については

といった風に考え方をぼろんと出すのではなく、噛み砕いた形で読者に提供するようになっているところが全体を通じて嬉しい所でありますね。

このほかに、ロジカル・シンキングとはちょっと別流とは思うのだが、「リフレクティブ・リスニングのコツ」や

「強弁の撃退法」といったところは、実践的技術として押さえておいて損はないですね。

【レビュアーから一言】

こうしたビジネスマンガのストーリーにすんなり入れるかどうかは、その主人公のキャラによるところも大きくて、本書の主人公「三上さつき」は、デリシャス三葉店の店長が元ヤンと聞いて、彼の懐に飛び込むために、ヤンキー漫画を読んで

といった対応をしたり、大型ショッピングセンター対策で、地元商店街の商店主におだてられ、作戦もないのに

といったあたりが微笑ましい。応援したくなるキャラと一緒に読み進めると、記憶にも残りやすいというものでありますね。

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