情報をシャワーのようの浴び、シャワーのようにアウトプットせよ ー 堀江貴文「情報だけ武器にしろ」

オピニオンリーダーとして、その言葉をおさえておいた方が良い人は、時代時代、場所場所で異なっているのは間違いないのだが、現在において、ほとんどの人が、好きか嫌いかにかかわらず、その発言を目にしておいた方が良いのが
「ホリエモン」こと堀江貴文さんではなかろうか。
その彼が「情報」ということを切り口にして、どうビジネスを始めとしたライフスタイルをつくっていくか、に言説したのが、本書 『「情報だけ武器にしろ」(ポプラ新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 情報は「狩り」にいけ!
第2章 情報を所持することは、未来を見抜くことだ
第3章 誰でも技術を簡単に学べる時代
第4章 アウトプットするから情報が価値を持つ
第5章 おかしな情報はスルーする

となっていて、

若い人に伝えたいのは、「今の『常識』はフィクションでしかない」という事実だ。

という刺激的なところが「本文を読む前に」というところにあって、こういう刺激的な滑り出しは筆者らしいところではある。

ただ、刺激的でありながら、そのアドバイスは極めてプラグマティックなのも筆者の特徴で、

「抽象的なことをダラダラと考えるクセ」と縁を切ることもおすすめだ。
「やりがいって何だ?」「人生において幸福とは何だ?」「努力って何だ?」
こんなことにいくら頭を使っても、残念ながら何も生まれない。  本当に没頭できる「仕事」と「遊び」で自分の時間を埋め、さらに情報のシャワーを浴び続ければ、抽象的な問答に悩まされることはなくなる。

であるとか

独創的なアイデア」だとか「自分固有の考え」なんかにこだわりすぎないほうがいい。むしろ「アイデアなんて、ただの情報のつなぎ合わせでしょ」くらいの認識のほうが、大成功を招いたりもする

といったところは、その典型であるように思うのだが、ここまであっさりと割り切ると、「常識」というメガネのせいで今まで見えなかったものまで見えてくるような気がしてきますな。

とはいいながら、

「どうすれば信用を得られるか」「どうすれば信用してくれる相手を増やせるか」「どうすれば信用され続けるか」  このように、人が本当に考えなければいけないのは、「信用」の生み出し方だ。 「お金とは信用を数値化したものにすぎず、お金自体に価値があるわけではない」

といったところや

熱意がなければ、やはり人は動かない。僕もこれまでに拝金主義者だと思われたことはあったが、儲かれば何でもいいわけではない。  情報というのは、知られればそれでおしまいという側面がある。材料やノウハウ、仕組みなど、成功している人を真似すればそれなりのものはできるだろう。  だが、情熱がなければ続かないし、人にも伝わらないのだ。人の輪がどんどん大きくなるためには核になる人間の情熱や熱意、愛情が必要だ。
(略)
これからの「情報平等時代」は、「情熱」で差がつくし、「情熱」でしか差がつかない、と思ったほうがいい

といったところには、「情報」について語る本でありながら、情報やデータの先にある「人間くささ」の大事さを示していて、このあたりがAI時代の生き残りのキーとなるかもしれんですね。

【レビュアーから一言】

アマゾンの書評欄では、他の著書のダブっているところがあるといった批評も多いのだが、同じ著者のものを幾冊も読んでいるとそいういうことはよくあることのように思う。
ただ、心を鼓舞する言葉は一回聞いただけでは効果がでないこともあって、そこは何度も反復服用することによって染み込んでくることも多いというのが実感である。
ホリエモン語録の刺激効果が薄くなったら、新しい著作を読んで、心を鼓舞するのも一手ではないでしょうか。

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