真面目な気の弱い女性がハグレてみたら恋の予感? ー コナリミサト「凪のお暇 1」

都内の家電メーカの本社に勤務する、真面目で気が弱く、ちょっと「空気読み」の傾向が強くて、いつもミソッカス扱いされ、貧乏くじをひいてしまうOLが主人公。彼女は、ある出来事をきっかけに、会社を辞め、SNSも絶ち、新しい生活へと踏み出すのだが、という展開の、「人生リセットしてみたら、なんと新しい世界が・・」系のコミック。

【構成と注目ポイント】

構成は

#一円め 凪、ドロップアウトする
#二円め 凪、暑さに溶ける
#三円め 凪、散歩する
#四円め 凪、吼える
#五円め 凪、動く
#六円め 凪、回る

となっていて、まずは主人公の「大島凪」が勤め先の会社での同僚や上司の中で、貧乏くじをひいている姿が、コミカルに描かれますね。冒頭のシーンでは、同僚からランチに誘われ、弁当を持ってきていることが言い出せないシーンがシンボリックで、

といった「凪」の表情に、気が弱くて、真面目で、いい人で、そのため、「押しの強い人」に流されて・・、というごくフツーの「女子」の姿を見せてます。

そして彼女の趣味が

というのだから、またなんとも・・・。

そんな寂しい境遇なのだが、彼女には

というイケメンで仕事バリバリのやり手の「カレシ」の「慎二」がいて、という設定なのだが、凪に惚れているくせに凪を振り回す「昔のいじめっ子」的な役柄で、凪が

と過呼吸となったことをきっかけに会社を辞め、全てを捨ててエスケープする原因となりますね。もっとも、慎二だけでなく、同僚の女性たちもかなり便利に凪を利用していたので、そこらも一員ではあります。

で、エスケープ後、都内のボロアパートに引っ越した凪は、こんな風になっちゃうわけなんだが、

このフアフワ髪は自毛で、子供の頃からこれにコンプレックスがあった、ということで問題はかなり根深い。そして、

とハローワークで求職中に、「坂本さん」という女性と知り合いになるのだが、実は彼女は凪と同種類の人で・・・、といったことや、

貧乏ながら自由に生きている「吉永緑」という老女に出会ったり、OL時代とは毛色の異なる人物たちと知り合いになっていくのだが、極めつけは

という隣室に住む「ゴン」というイベントオーガナイザーなのだが・・、といった感じで、新しい恋の予感がスタートします。

とはいいながら、前恋人の「慎二」は未だ凪のことが諦めきれず、ストーカーっぽくやってきて、といったことなので男女の恋のもつれと、求職活動ままならぬ「凪」の生活は相変わらず厳しくて、といった感じで展開していきます。

【レビュアーから一言】

黒木花、高橋一生、中村倫也のキャストで2019年7月からTVドラマ化されている「凪のお暇」の原作本である。
TVドラマが放映されたあたりでは、主人公の「凪」や「慎二」「ゴン」のイメージが合うとか合わないとかの話もあったのだがどうやら、落ち着きを見せている気配なのだが、そのあたりも含めて、「コミック」で味わってみてはいかがだろうか。TVドラマとは違った「凪」の可愛らしさに思わず応援してしまいたくなること請け合いであります。

原作本は、すでに5冊刊行されてますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました