「デジタル疲れ、実店舗復活か(日本経済新聞)」。理由は”疲れ”ではない気がするのだが

2019.08.16付けの日経新聞の朝刊に「デジタル疲れ、実店舗復活か」と題して、日本出版販売の「文喫」や「TYUTAYA」の徳間書店や主婦の友社と連携してグループ書店でしか購入できないオリジナルの書籍販売、ブックオフの復調をとりあげて

フリマアプリを使うと個人間で価格交渉をしたり、配送や梱包をしたりする。手続きを面倒と考える消費者が実店舗に戻り始めた。

スマートフォンの普及でリアル店舗はネット通販の攻勢にさらされてきた。しかし、品ぞろえや商品提携力といった実店舗ならではの強みを磨いて売上高を伸ばす企業も目立つ。交流サイト(SNS)やアプリなどのデジタルサービスが広がる中、他社とのコミュニケーションを敬遠する「デジタル疲れ」を商機とする企業も増えている。
(略)
ネットサービスが普及する中でもリアルの強みをアピールし、デジタル疲れの消費者の潜在需要を取り込むことができるかが、リアル店舗の生き残りを左右しそうだ。

ということで、ネットによって経営を圧迫されてきたリアル店舗に、光明が見えてきた気配がして、まずはめでたい。

ただ、当方がちょっと気になったのが、この動きを「デジタル疲れ」のベクトルでとらえているところ。というのも、これらのユーザーが、デジタルではなくアナログ・実店舗を選択している主な原因は、「デジタルの限界」に原因があるのではと思ったからである。

例えば「文喫」というサービスは

・入場料1500円の三万冊以上の書籍を販売する本屋
・本の「閲覧室」や仲間と本について談笑できる「研究室」、軽食のとれる「喫茶室」を備える
・店内で提供される珈琲と煎茶はお替り自由

といったもので、まるごと「本」に向き合える仕掛けがされていて、デジタルでは提供に限界のある「実体感」の部分に優位性をもっているし、メルカリが敬遠されているのは、自分の不用品をネットの不特定多数に向けて販売するというシステムのところではなく、自分で梱包するという「手間」の部分である。

と考えると、これからデジタルのサービスが「体感」の部分を補うショールーム機能や、「手間」を代替するサービスを補っていくことによって、「疲れ」ることなく、再び実店舗を脅かす場面がくるのではないか、と思う次第である。

とりわけ、実店舗を運営する「人手」の部分が、これからの人口減少の影響を最も受ける地方部において、消費生活の便利さを維持していくには、デジタルがそうした機能を備えていくほうが望ましいような気がしてならないのである。「実店舗の逆襲」は、人人口がこれからも集積するであろう首都圏の都心部分だけがもちうる「夢」であるような気がするのであります。

もちろん、「文喫」のような仕掛けは、ともすれば傲慢になりがちな「デジタル・サービス」に反省を促すこと間違いないので、こうしたのはどんどん出てきてほしいのであります。

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