メンタリストの読書術の秘伝を学ぼう ーDaiGo「知識を操る超 読書術」

メンタリストとして有名なDaiGOさんなのだが、本書によれば

たとえば、私は1日に10冊~20冊の本を読んでいます

ということで、彼の多岐にわたる活動や、多数の著述も、大量の読書で支えられているらしい。
そんな筆者が、本を大量に読んで、内容を自分の血肉とするコツを惜しげもなく明らかにしてくれているのが本書『DaiGo「知識を操る超 読書術」(かんき出版)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

まえがき
第1章 読書のまつわる3つのフェイク
 非科学的な読書術をぶった斬る
  フェイク1 「速読」の嘘
  フェイク2 「多読」の嘘
  フェイク3 「選書」の嘘
第2章 読書の質を高める3つの準備
 読書で結果を出せないのは、脳と感情の操り方を知らないからだ
  準備1 メンタルマップ
  準備2 キュリオシティ・ギャップ
  準備3 セルフテスト
第3章 理解力と記憶力を高める5つの読み方
 難しい本でも何度も読み直すことがなくなる
  読む前と後 「予測」よみ
  読みながら 「視覚化」読み
  読みながら 「つなげ」読み
  読みながら 「要するに」読み
  読んだ後  「しつもん」読み
第4章 知識を自在に操る3つのアウトプット
 頭の良さは、説明力で決まる
  アウトプット1 テクニカルタームで聞き手の心をつかむ
  アウトプット2 SPICEで説得力を上げる
  アウトプット3 思想書と科学書のダブル読み

となっていて、まず筆者は

「速読」に囚われると内容が置き去りになり、「多読」を目指すと目的を見失い。「選書」にこだわると自分の都合のいい本ばかり読んでしまいます

と、世間の「読書」の常識をひっくり返すところから始めている。

だからといって奇をてらっているわけではなく、

まずは本の表紙をスキミングする

次に目次をスキミングする
日頃、読み飛ばされがちな目次には、本の王増や骨組みが書かれています。・・・目次を拾い読みするだけで内容に対する理解度は格段に上がります。
そして最後にどこか1つの章を拾い読みしていきましょう。

といったことを踏まえたうえで

知識を操るレベルになるには、ゆっくり着実に進むことが重要です。・・・最初にその分野の教科書や入門書を読み、知識の土台をつくること

基礎知識を十分身に付けていると、本の中の「読むべき場所」を判断できるようになり、そこに書いてある内容を予測できるようになります。

といった感じで、オーソドックスな読書法をまずおさえているところが印象的です。ともすれば、世上評判の「速読法」や「多読法」がテクニック自慢に走りがちであることを戒めて、基礎に忠実であることがまず大事なんでしょうね。そうしないと、筆者が第3章でアドバイスしている

自分の過去の経験やすでに身に付けている知識を使って、目の前の本にどんなことが書いてあるのかを予測する。
予測読みでは、必ず予測を箇条書きで書き出す
実際に読み進めたとき、予測との違いを機ラベルこともできるようになり、本の内容に意外性があればあるほど記憶の残るようになる
予測を記録し、実際に読み終わった後に本の内容と比較すること
効果は、本の内容への理解力を高めるとともに読書のハードルを下げる

という「予測読み」や

読んだ本の内容を頭の中で想像し、ビジュアル、つまり映像的に膨らませる読み方
ビジュアル化のカギはストーリー
「前提」「解説」「結論」を物体としてイメージして頭の中にまとめていく
自分が本に求めていた目的を「前提」として、読んだ内容に含まれていた役立つ情報を「解説」として取り出し、誰かに話す状況を想定しながら「結論」として要約する
その後、マインドマップに書き出し、空いた時間に読み返して内容を記憶に定着させる

といった「視覚化読み」などのテクニックが十分に生きてこないのではないかと思います。

このほかにも、読書を行う前に「メンタルマップ」をつくるべき」であるとか、本の内容を記憶に残りやすくさせる「キュリオシティ・ギャップの実践」であるとか、効果的な読書をする上での数々のアドバイスがされているので、読書好きはおさえておきたい一冊ですね。

【レビュアーからひと言】

当方としては、本書で筆者が一番主張したいことは、

本の単なる読者にならない

ということであるような気がしていて、能動的に読むということは、すなわち、「本に書いてあることをうのみにしないこと」、「本と対話、議論をしながら読むこと」といったところが肝になるのではないでしょうか。

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