才女に学ぶビジネス・テクニック ー 廣津留 すみれ『ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」』

ハーバード、ジュリアードといえば、分野は違えども世界レベルで活躍する「エリート」たちを輩出しているところとして、誰しもが承知しているところなのだが、その二つで「首席」をとった才女による能率本が本書『廣津留 すみれ「ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」」(KADOKAWA)』である。

表題では、「独学術」となっているが、もっと広く、学んだり、仕事をしたりするときの、効率を上げ、モチベーションを維持するための方法がアドバイスされている。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 公立高校からハーバード大へ
 -米国に見た最先端の学び方
第2章 したいこと・すべきことができる「時間管理術」
第3章 深く濃く学ぶための「集中術」
第4章 前に進む、辛くても粘る!「モチベーション管理術」
第5章 忘れない・身につく「インプット術」
第6章 人を動かす「アウトプット術」
第7章 グローバル時代の「学び方」

となっていて、まず第一章が、日本の普通の公立高校からハーバード・ジュリアードを目指し合格した、女子高生の「奮戦記」、第2章から第6章までがノウハウ、第7章がアメリカの」最高の教育環境で学んだ筆者の「学び方論」となっているので、読者の方は、それぞれの興味に応じてチョイスして読んでくださいね。
もっとも、「超」競争社会と言われるアメリカの、それもトップクラスの大学で成果を上げてきた人のアドバイス本なので

ごく単純に言えば、
・時間の無駄をなくす
・時間を濃く過ごす
・淡々と努力する
 このことを繰り返せば、「普通の人」は「天才」に匹敵する成果を出せる、と私は考えています。

ということで、かなりのキャッチアップ型のアドバイスが満載なのは間違いない。しかし、ただ単純に「やればデキる」「根性」といった類のものではなく、例えばハーバート時代の「グローバル・ヘルス」の授業での

「すでにある正解を見つける」力ではなく、「正解を創り出す」力が常に問われました。 医療のみならず、他のあらゆる課題に取り組む上での解決力も、この授業を通して鍛えられたのではないかと感じています。

であったり、ジュリアード時代の

「できない部分」の洗い出しです。
私が昔からよく行うのは、できていない箇所の小節番号をすべて書き出し、毎日そこだけは繰り返し練習する、という方法です。
(略)
しかし私はその点非常に前向きで、例のごとくゲーム感覚で楽しみます。  理解が及ばない、理解できていても技術が及ばない──そんなとき、「この敵は強いな」「ラスボス来た!」などと思いつつ、ミッションに立ち向かうのです。
とすると、集中力にはポジティブさやタフさという要素もあると言えます。

といったように、クレバーな戦略に基づいたタフなやり方なので、「そこまでは・・」と引いてしまうところもあるが、まずは物怖じせずに筆者の方法論を試してみるのが大事なようですね。ただし、

もっとも

期限までの時間がどれだけあるにせよ、 まず「マイ締め切り」を設定するのがハーバード流です。
課題の大きさによってまちまちですが、もっともよくあるのが「1日以内」。早い場合は、「5分後」になんらかのレスポンスを出します。
5分後なんてとても無理、と思われるでしょうか?  もちろん完成形でなくても構いません。だいたいこのような方向性でまとめたい、という骨子を箇条書きでまとめ、教授に見せればいいのです。  これで、ムダな時間を一気にカットすることができます

であったり、

「できないこと」と遭遇したとき、私が取る対応は2種類。
できるようになりたいと思わなければ、そのまま忘れます。
できるようになりたいと思えば、すぐに頭の中でイメージを描き始めます。

といったように、かなりアグレッシブな行動が必要になるので、そこは覚悟しておいてくださいね。

このほか、「逆境のときに役立つ「第三者スイッチ」」であるとか「ハーバード流ノートのとり方」であるとか、能率的にビジネスや勉強をこなすためのアドバイスが満載なのだが、詳細は原書で確認してくださいね。

【レビュアーからひと言】

ハーバードの優秀な大学生といえば、将来設計も微に入り細に入り考え抜いて、緻密な設計図を描いているのだろうな、と予測したのだが、筆者の

「10 年後はどんな仕事があるかわからないから、長期計画は立てないほうがいいよね」 と語ったのは、コンサルティング業界にいるハーバード時代の友人です。
今の職業がいつまであるかわからない。別の職業ができるかもしれない。そこにフレキシブルに対応できるようにしておこう ──。
私や彼女を含め、ここ 10 年のハーバード卒業生たちの多くが、このような考え方の元に、キャリアを積んでいます。

といったところは見事の当方の予想を超えてしまうものでした。時代や流行が変わっていっても、波を乗りこなしたり、どんな波でも通用する「技」と「知識」を身につける、そんなタフネスが大事なのかもしれません。

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