外出自粛中の今、「矢口高雄」マンガ で、日本の「原風景」と「自然」を満喫しよう

新型コロナウィルスが蔓延しているせいで、家の中にこもりっきりの状況では気分の方も暗くなっていって、リモートワークの効率もどんどん下がっていってる人も多いのではなかろうか。そんなときには、「自然」に触れあうのが一番のリフレッシュ方法であるのは間違いないのだが、実際に出かけるのは自粛の真っ最中なので無理。

そんなあなたにおススメなのが、日本の懐かしい田舎や自然を扱ったマンガでリフレッシュすること。
特に「釣りキチ三平」など「釣りマンガ」で大人気となり、「釣りバカ日誌」をはじめ、これ以後の「釣り」をテーマにしたジャンルの創設者といっていい「矢口高雄」さんのマンガは、筆者の出身地が秋田県で、自然の中で育ってきた経歴のせいか、日本のどこにでもあった田舎を舞台に、そこに暮らす人々の日常生活や、失われてしまった伝統行事を丁寧に描写した作品が多く、現在ではすでに失われた「日本の原風景」と「日本の自然」をしっかりと味わうことができる。

今回、Kindleで提供されている「矢口高雄」マンガの気になる作品をPickupしてみたので、「自然」系や「故郷」系にマンガに癒やされたい人はチェックしてみてはいかかがだろうか。

【おススメの「矢口高雄」マンガ】

◇「日本のムラ」シリーズ◇

明確にシリーズ化されているわけではないが、当方の方でかってにシリーズの命名をした。筆者の出身地である秋田県の農村部を舞台に、自然の中で人情味あふれる、家族や近隣の住民が共同して営む「ムラ」の暮らしを描いたものが多い。特に「かつみ」や「おらが村」は、農村に生まれ育った「かつみ」という女性の登場人物を語り手に、嫁の来ない農村の若者の悲しさや、都会から来た人に翻弄される村人の姿を読むことができ、なんとも懐かしい気分が味わえる。
また、「蛍雪時代」は筆者の半生記的な作品で、その意味で戦後間もないころから高度成長期に至るまでの、日本の農村がどう変わっていったかの記録として読んでみてもいいだろう。

○かつみ(1)~(3)

○おらが村(1)~(4)

○新・おらが村(1)~(4)

○蛍雪時代(1)~(5)

○オーイ!やまびこ(1)~(7)

◇「マタギ」シリーズ◇

ヤマケイ文庫のシリーズで特徴的なもののひとつが、奥羽地方でクマやシカなどの猟で生計をたてていた猟師たちの暮らしやエピソードを描いた「マタギ」シリーズ。
当時でも世間からは秘せられていた部分の多い、その暮らしや山へ猟に入るときのしきたりなど、すでに失われたものも多いのだろうが、日本の民俗誌として読むのも面白い。最近は、狩りガールなど女性の猟師さんも活躍しているのだが、まだ「山に女性が入ると姫神のたたりがある」といった伝承が生きていた時代の物語が中心で、まだ「猟」が「男」のものであった時代の物語である。

〇マタギ(1)~(4)

〇マタギ列伝(1)~(4)

〇シロベ(1)~(2)

◇「日本の自然」シリーズ◇

矢口高雄のマンガといえば、日本の自然の中で活きる野生動物の姿を描いたものが、まず頭に浮かぶのではなかろうか。ずいぶん昔は「シートン動物記」という読みものがあって、アメリカの大自然の中に生きる野生動物を擬人化して描いた読み物だったのだが、筆者のこのシリーズは「日本版シートン動物記」のような趣がある。ただ、このシリーズで描かれていた自然が健在だったのは、せいぜい高度成長期までで、昭和後期、平成となると、こういう牧歌的なものはなくなってしまったような気がするのが残念ではある。

○野生伝説

 爪王/北へ帰る

 羆風/飴色角と三本指

○はばたけ!太郎丸(1)~(2)

○幻の怪蛇バチヘビ

○トキ

○ニッポン博物誌(1)~(4)

◇「釣り」シリーズ◇

筆者の出世作となったのは「釣りキチ三平」シリーズ。三平の「じっちゃん」や「魚紳さん」とともに、地元だけでなく日本中の湖や川、海で魚と対決している姿が、一大釣りブームをまきおこしたことがあるのだが、残念ながら、三平シリーズはKindle Unlimitedの対象にはなっていない。
そのかわりに、釣りに魅せられて仕事以外のほとんどすべてを「釣り」に捧げてしまう、全国の「釣りバカ」の物語がラインナップされている「釣りバカたち」がリリースされている。「永遠に幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい」という格言もあるほどの趣味の極致である「釣り」に魅了され、ハマり込んでしまった人々の物語を田楽しんでいただきたいのだが、読んでしまうと、自ら「釣り」の道に入り込むそうになる副作用があるかもしれないのでご注意を!

○釣りバカたち(1)~(5)

【レビュアーからひと言】

当方としては、「日本の原風景」「日本の農村」ほど変化にさらされてきたものはないように思っていて、産業といえば「農業」しかなく、冬季には「出稼ぎ」で男性がいない状況から、モータリゼーションや高速鉄道の発達で「郊外化」か「過疎化」のどちらかの道を歩んでしまい、かつての自然に抱かれた牧歌的な環境は探しても見つからない状態と言わざるを得ない。
なので、こうした「かつての日本の田舎」の姿を見つけようと思うと、「矢口高雄」のマンガを読むのが一番手っ取り早いのだが、時代の移り変わりもあってかブックオフなどの中古書店でもなかなかお目にかかれなくなってしまっているものが多いのが実際のところ。kindle Unkimitedの対象になっているものもあるので、家の中に閉じこもる生活が続きそうな今、お試しに会員登録してみてはいかがでしょうか。

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