「なでしこ」は冬の「伊豆キャン」にグルキャンする ー あfろ「ゆるキャン△ 8・9」

ゆるキャン△

女子高生たちが、集まってキャプキャピと料理をしたり、夜のテントの中でしみじみ語りあったりする姿を描くことによって、「キャンプ」そのものの印象をガラッと変えるとともに、「冬キャン」の魅力を世に出し、「キャンプ革命」といってもいい効果をもたらしたマンガシリーズ『あfろ「ゆるキャン」(芳文社)』の第8巻と第9巻。

みんなのバイトの都合もあって、ソロキャンや少人数でのキャンプが多かったのですが、そろそろまとまってグルキャンでも、という声が強くなり。顧問の「ぐび姉」こと鳥羽先生からの提案による「伊豆キャン」の様子が描かれるのがこの二巻。伊豆は、第6巻で、山中湖であやうく凍えて遭難しかけた千明・あおい・恵那を助けてくれた「飯田酒店」の親子が住んでいるところでもあるので、お礼(鳥羽先生はお酒も)も兼ねてのことですね。

【構成と注目ポイント】

第8巻の構成は

第41話 伊豆キャンまであと何日?
第42話 冬の終わりと出発の日
第43話 下田まであとどれぐらい?
第44話 エビとキンメと犬の島
第45話 海の風景ヤマの風景
第46話 夕日の温泉と一日の終わり
番外編 へやキャン△

となっていて、今回のそして今回のキャンプには「あおい」の妹の「あかり」も同行することになります。彼女の、目的は「カピバラ牧場」なのですが、「ホラ吹き」姉妹がそろってのキャンプはなにやら波乱含みではありますね。

今回は、リン以外のメンバーは、鳥羽先生運転の車で行くのですが、リンは年末年始に「伊豆ソロキャン」を断念したこともあって、原付での単独行を希望します。そのため、原付を点検したり、荷台やスマホホルダーの取り付け、風除けのスクリーンとか、父母・祖父がよってたかってリンちゃんをサポートします。彼女は一人娘っぽいので、みんなが可愛がるところと、リンちゃんが照れてるところが可愛いです。

そして、作中の記述によると今回のキャンプは「ジオパーク巡り」と「伊豆の食材をキャンプめしで味わう」ということがテーマのようで、伊豆ジオパークの見どころもたくさんでてくるので、これからキャンプに挑戦してみようという人だけでなく、伊豆のドライブ旅行やファミリー旅行を考えている人にも、この8・9巻はオススメであります。

で、これから、あちこちのジオスポットをはじめ観光地めぐりをしながら、キャンプ場を目指すのですが、昨夜、目が冴えて眠れなかった「なでしこ」は爆睡状態で、「なでしこ」は下田で、ようやく、目を覚ますのですが、犬山姉妹から、二日間も眠っていたとホラを吹かれ、半泣きになるのが彼女らしいところです。

ここで、皆が食したのが、一番目の伊豆グルメ「金目鯛バーガー」。

これは恵那の念願の品です。

今回の8、9巻は伊豆の観光地めぐりも良いシーンがあるのですが、「キャンプ飯」中心にレビューしておきましょう。

一日目のキャンプ地は、下調べ不足によるトラブルを経ての「西伊豆」ですが、このあたりは、本書のほうで確認を。鳥羽先生、痛恨のミスですね。

到着した西伊豆のキャンプ場での夕食は、伊豆の食材をふんだんに使った「キャンプ飯」
土鍋で作るマッシュルーム、しめじ、ナス、タコ、エビをふんだんに使い、にんにくを効かせてウィンナー、パプリカ、長芋、ブロッコリーを煮込んだ「具だくさんアヒージョ」
このへん描写は美味そうでたまりませんな。

そして、このアヒージョをあらかた食べ終わり、具材のエキスがオリーブオイルにしっかり染み込んだ鍋に、唐辛子、刻みニンニク、野菜を追加し、野菜に保が通ったところで、昼間買った「金目鯛」の干物の頭と骨をとって炭火で焼いたものを投入し、煮込んだ後、茹でたパスタを絡めて、塩コショウなどで味を整えた

「金目鯛井のアクアパッツァパスタ」が「締め」ですね。こういうキャンプ飯が食べられるなら、疲れも吹っ飛びますね。

そして第二日の夕食のメインは、「なでしこ」と「あおい」のバースデー・パーティーです。

キャンプ飯は、ほっとケークをデコレートしたバースデーケーキと、伊勢海老の出汁を使った「エビとトマトのリゾット」はエビの香りが立ちのぼってくるようです。

二日間にわたる「伊豆キャン」の様子が描かれていて、テンポ的には少し遅いのですが、「なでしこ」たちがふんわりと「キャンプ+旅行」を楽しんでいる雰囲気がよく出ていて、当方は好きなパターンですね。

さらに、旅が終わって、リンは修善寺で、「なでしこ」たちと別れて山梨へ向かうのですが、帰宅ラッシュにぶつかって少々時間をくいます。リンから到着したLINEが入らないので、「なでしこ」は・・・、

ということで、第7巻のときとは逆に、リンが逆に心配されるほうになってしまうわけですねー。このへんの「ほんわか」した感じも、「ゆるキャン△」らしいところです。。

【レビュアーから一言】

今回、なでしこたちが訪れる「伊豆ジオパーク」は、「日本ジオパークネットワーク」のサイトでは「伊豆半島は、約2000万年前には、数百kmも南の海底火山群でした。フィリピン海プレートの上にできた火山島は、プレートとともに北に移動。やがて本州に衝突し、現在のような半島の形になりました。約60万年前のできごと」で」その後もプレートによる地殻変動、火山活動が続いた伊豆。二重三重の地質学的特異性は、美しい景観や温泉、深い海など、独特の自然環境を生み出し」とのことで、伊豆半島のテーマは「南から来た火山の贈りもの」だそうです。

「なでしこ」たちは
①大瀬崎>海流に運ばれた土砂や岩が溜まってきできた細長い陸地(砂嘴)
城山>マグマの通り道が地殻変動で隆起してできた山、崖壁を登るクライミングのスポットでもある
②龍宮窟>波の侵食によってできる洞窟(海蝕洞)の天井が崩れて天窓が空いている洞窟。伊豆の天窓の中で最大
③爪木崎>下田市の南東、須崎半島にある岬。周辺が水仙の群生地。
④俵磯>火山の地下から錠粗油してくるマグマが、地面の中で固まってしまった岩体
⑤黄金崎>日本一の夕日と言われる西伊豆にある岬。夕日で崖一面が黄金色に染まります。
⑥沢田公園>一帯が海底火山の噴火に酔って火山灰が降り積もった地層でできている。ここの名所であった「仁科東大」は2009年に撤去されているようです
⑦堂ヶ島>火山灰からなりう数々の小島を見ることができる
⑧三四郎島のトンボロ>見る角度で島の数が3つや4つに変わることから三四郎島と呼ばれており、干潮時には海岸からし島へ歩いてわたることができる
⑨だるま山高原>達磨火山の噴火によって作られたなだらかな高原。
⑪後浜岬>沿岸流によってできた砂嘴。天然の防災林。
⑫大室山>伊東市にある表面をすすきに覆われた標高580mの山。毎年2月に山焼きの行事が行われている。
という12のジオスポットを訪れたわけですが、まだまだ素晴らしい自然景観があるようです。キャンパーや自然好きは、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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